巨人が今オフ狙う外野手の本命「安打製造機」の名前 タイトル複数回、対左投手は打率.303

若林楽人はユーティリティー枠か(C)共同通信社

貧打巨人の救世主になるか──。

巨人に西武からトレードで加入した若林楽人(26)が25日、都内の球団事務所で入団会見を行った。

50メートル5秒8の俊足が武器。「スピード感ある野球が持ち味。一からのスタートだと思って感謝しながらプレーしたい」と意気込んだ。補強ポイントだった「右打ちの外野手」ながら、今季は二塁にも挑戦中。二軍戦で8試合に出場している。「外野が本職でやってきて、(二塁は)まだまだヘタくそ。それでもチャンスがあるなら(レギュラー争いに)加わっていけたら」と腕まくりである。

さる巨人OBがこう言った。

「手薄な右の外野手だが、内外野が守れるだけに、レギュラーというより、『ユーティリティー枠』でのトレードでしょう。実質、ヘルナンデスしかいない野手の新助っ人も7月いっぱいの期限ぎりぎりまで探すようだが、トレードを含め、この時期の補強はどうしても控えメンバーが中心になる。大物の獲得は難しいだけに、『本命』の外野手は今オフに狙いを定めています」

巨人のチーム打率はリーグ4位の.232。得点力不足の打線にあって「右の強打者」が補強ポイントだが、打撃さえ良ければ、左打者でも構わない。本命はこの日の対戦相手、今季中に国内FA権を取得見込みのDeNA・佐野恵太(29)だという。

FA権を行使するかどうか

佐野は昨オフの契約交渉の際、球団に提示された複数年契約を断り、1500万円ダウンの年俸1億5500万円で単年契約を結んだ。「FA権取得の年でもあるし、自分も納得できる成績を残したい」と語っていた。

2020年に首位打者、22年に最多安打のタイトルを獲得するなど実績は十分。今季はこれまで打率.254と低迷しているが、対左投手の打率が.303と左を苦にしないところが他球団の評価が高い理由である。

「DeNAから巨人へのFA移籍は、06年オフに門倉、11年オフに村田、14年オフに金城、16年オフに山口、20年オフには梶谷と井納と2人も移籍した。DeNAは巨人にとって“お得意サマ”です。巨人の練習場は神奈川・川崎にある。横浜からほど近く、住環境を変えずに済むから、移籍しやすい雰囲気があるといいます。巨人は4月に米国から日本に帰国した筒香の獲得にも乗り出したが、古巣DeNAとの争奪戦に敗れた。今季は好調だが、昨季.244に終わった35歳・丸の後釜候補として、安打製造機の佐野はうってつけです」(球界関係者)

焦点は「ベイスターズ愛が強い」とされる佐野がFA権を行使するかどうか。行使するようなら、巨人が有力候補になりそうだ。

なお、この日の試合後、ここまで打率.234の不振にあえぐ坂本勇人(35)の二軍落ちが決まった。22日のヤクルト戦で3三振に終わり、2試合連続スタメン落ちとなっていた。坂本がケガや体調不良以外で一軍登録を抹消されるのは異例である。

◇ ◇ ◇

記事本文の冒頭に登場する若林には「致命的な欠陥」があり、新手地で生き残るためには「意識改革」が必要不可欠だという。いったいどんな問題を抱えているのか。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

© 株式会社日刊現代