「英国におかえりなさい」天皇皇后両陛下が晩さん会に出席 チャールズ国王との交流も…雅子さまのファッションにも注目

国賓としてイギリスを訪問している天皇皇后両陛下が、日本時間の26日午前5時前に、チャールズ国王夫妻主催の晩さん会に出席されました。

チャールズ国王は、スピーチ冒頭「英国におかえりなさい」と日本語で挨拶をされました。

チャールズ国王:
私たちの結び付き(パートナーシップ)には、深いルーツがあります。400年以上にわたり、両国はお互いにインスピレーションを与え、お互いの経験から学び、お互いから借りたり、共有した要素で双方の産業や食や文化を高めてきました。
両陛下を含め、皇室の多くの方々がイギリスの大学で学ぶことを選択されたことを光栄に思います。陛下のオックスフォード大学での経験の記録や、オペラやフライフィッシングで一緒に過ごした時間の私の記憶からして、このような海外で時間を過ごす機会は一生の友情と思い出を作り出すということがわかります。

陛下もチャールズ国王に続き、英語でお言葉を述べられます。

天皇陛下:
私自身、英国で学び、多くの人々と関わり合い、中でも王室の皆様には大変温かく接していただくなど、両国の交流の一端を担ってきたことをうれしく、またありがたく思っています。そして、計り知れぬ努力をもって、両国の未来の友好のために力を尽くしてこられた人々に、皇后と共に深い敬意と感謝の念を表します。

晩さん会では、チャールズ国王から贈られたイギリス最高位の勲章「ガーター勲章」を着用された陛下。

学習院大学史料館の長佐古美奈子さんによると、この勲章は本来キリスト教徒にしか与えられないものですが、キリスト教徒以外の君主に与えられているのは、東アジアでは日本だけだといいます。

ウィリアム皇太子の歓迎に笑顔で応える

日本時間の25日午後8時頃、晩さん会に先立ち宿泊先のホテルを訪れたウィリアム皇太子とお会いになった両陛下。握手を交わし、笑顔で再会を喜ばれました。

かつてオックスフォード大学に留学し、イギリスで生活されていた両陛下。ウィリアム皇太子がお2人にかけたのは、「おかえりなさい」という言葉でした。

天皇陛下「お会いできて光栄です」 ウィリアム皇太子「私もです。おかえりなさい。お二人ともよくご存じの地です」

天皇陛下「きのうテムズ・バリアを訪れました。18世紀のテムズ川を研究していたのでテムズ・バリアはとても興味深かったです」 ウィリアム皇太子「お二人は同じ時期にオックスフォードで学ばれたんですか?」 天皇陛下「いいえ、時期は違います」 雅子さま「私より5年前です」 天皇陛下「彼女はベリオール・コレッジで私がマートン・コレッジでした」

ウィリアム皇太子「楽しかったですか?」 天皇陛下「とても楽しかったです」

終始和やかな雰囲気で、ウィリアム皇太子の温かい歓迎に笑顔で応えられました。

国賓のためのパレードに多くの人

イギリス到着後、3日ぶりに姿を見せられた皇后さま。国賓として公式行事にのぞむため24日までは、同行している主治医の判断に従い、ホテルで体調を整えられてきました。

歓迎行事が行われる「ホース・ガーズ」に到着された両陛下は、チャールズ国王夫妻と笑顔で再会を喜びます。

両陛下と国王夫妻が並び、始まった歓迎式典。日本の国歌「君が代」が演奏されました。式典の間、チャールズ国王と親しく会話されているご様子の陛下。

雅子さまも、カミラ王妃との会話を楽しまれていました。

晴れ渡った空の下で、歓迎式典は滞りなく進みます。日本の「さくらさくら」が演奏される中、陛下はチャールズ国王と共に儀仗隊の間を歩かれました。

歓迎式典後は、陛下とチャールズ国王、雅子さまとカミラ王妃がそれぞれ馬車に乗り、バッキンガム宮殿までパレード。
馬アレルギーがある雅子さまは、体調のことも考え白いマスクをして馬車に乗り込まれました。

両国の国旗が掲げられた並木道には、パレードの様子を一目見ようと大勢の人が。中には塀に上って見ようとする人まで現れる事態に。

馬車の列の歩みとともに歓声があがる中、雅子さまもカミラ王妃と並んで、笑顔で手を振られていました。

パレードを見た人:
素晴らしいよ。陛下と皇后さまを見られて良かったよ。

パレードを見た人:
ちょっと感極まって涙が出てきた…。雅子さまはマスクをされていたんですが、こうやって手を振っていただいて。

フジテレビ皇室担当の橋本寿史解説委員によると、馬車でのパレードは、国賓に対するイギリス王室ならではのおもてなしだといいます。

イギリス王室が国賓として招くのは一度限りのため、今回の馬車でのパレードは、両陛下にとっても最初で最後の体験になるとみられます。

橋本寿史解説委員:
国賓としてお招きをした場合、その国は国を挙げて、おもてなしをするということになります。イギリスの場合には、バッキンガム宮殿までの移動を馬車でするというのは、やはりイギリスらしいおもてなしのひとつだと思います。

雅子さまのファッションに注目集まる

イギリスでも注目を浴びている雅子さまのファッション。
パレードでは、純白のレースが印象的な装いをされており、帽子にも同じレースでリボンがつけられていました。

一見レースのドレスのようにも見えますが、バッキンガム宮殿内のギャラリーを見学された際は、レースのコートを脱がれて、白のセットアップ姿を披露。

歓迎式典や、馬車でのパレードにふさわしい、華やかなスタイルから、さりげなく装いを変えられていました。

その後、第1次世界大戦で命を落とした、「無名戦士の墓」に花を手向けるため訪れたウエストミンスター寺院では、紺色のラインが入った白のセットアップに着替えられていました。

両陛下は今後、ウィンザー城にあるイギリス王室の墓所への訪問や、オックスフォード大学を訪れることなどが予定されています。
(「めざまし8」6月26日放送より)

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