ドイツの反ユダヤ事案、昨年は8割超増加 ガザ紛争後顕著に=監視機関

Sarah Marsh

[ベルリン 25日 ロイター] - 反ユダヤ主義を監視する機関「RIAS」は25日、ドイツで昨年発生した反ユダヤ的事案が約83%増加したと報告した。内容は落書きから放火未遂までさまざまで、イスラム組織ハマスによる奇襲とパレスチナ自治区ガザへのイスラエルの攻撃を受けて急増した。

昨年記録された4782件の反ユダヤ主義事案のうち約半数が反イスラエル活動と関連があった。

反ユダヤ主義は世界的に高まっているが、ユダヤ人組織が警察に厳重に警備されているドイツでは特に敏感な問題となっている。著名なユダヤ系の知識人を含む評論家らは、これにより当局とメディアが反ユダヤ主義とイスラエル批判を十分区別できなくなり、言論の自由の阻害につながっていると指摘している。

ただ反ユダヤ主義対策を担当する政府高官は、反ユダヤ主義はハマスによる奇襲が発生した昨年10月7日以前から、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の扇動などにより増加傾向にあると指摘している。

© ロイター