シンガポール首相、マネロン取り締まりに強い決意表明

[シンガポール 26日 ロイター] - シンガポールのウォン首相は26日、マネーロンダリング(資金洗浄)の取り締まりを強化する強い決意を表明した。

マネロンやテロ資金供与対策の国際基準策定を行うための多国間枠組み、FATF(金融活動作業部会)のイベントにおける発言。シンガポールは今月末までFATFの議長国。

ウォン氏は、シンガポールは国際的な金融・事業拠点なので、他国よりもマネロンやテロ資金供与のリスクが大きいと指摘。「しかしわれわれは、そうしたリスクに対処する上で必要な措置を断固実行し、信頼できる金融センターとしてのシンガポールの評判を守る」と語った。

シンガポール政府は26日、マネロン・テロ資金供与対策を強化する取り組みの一環として「国家資産回収戦略リポート」を公表。マネロン対策の優先項目の一つが資産回収であり、犯罪者から不当利得を取り返すことにより、シンガポールでマネロンに関与するインセンティブを取り除くことを目指すと説明した。

また取り戻した資産を犯罪被害者に返還することも進めていくとしている。

リポートによると、2019年1月から今年6月までに、シンガポール政府は犯罪とマネロンに絡む60億シンガポールドル(44億米ドル)を差し押さえ、そのうち4億1600万シンガポールドルをこれまでに被害者へ返したという。

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