櫻井翔の“政治家としての説得力”を玉山鉄二が絶賛 「櫻井さん」から「翔さん」呼びに

6月28日よりスタートするTBS金曜ドラマ『笑うマトリョーシカ』キャスト登壇制作発表会見が6月26日に都内で開催され、主演の水川あさみ、玉山鉄二、櫻井翔が登壇。キャスト3人は同世代ということもあって、会見では笑顔の絶えない和気あいあいとした雰囲気となった。

ある日、主人公の新聞記者・道上香苗(水川あさみ)は、「未来の総理候補」との呼び声が高い政治家・清家一郎(櫻井翔)を取材。彼女は取材をしながら、清家の秘書でもある鈴木俊哉(玉山鉄二)と清家の関係性に違和感を覚える。じつは、清家の栄光の裏ではいくつもの不審死が起きていて……。

水川は、自身が演じる道上について「ひとつのことが気になると、それを突き詰められずにはいられない。とても芯があって、強くて、白黒はっきりした女性ですね。2人に違和感を覚えて、関係性を暴いていきます」と紹介。

そんな水川は、現場でムードメーカーのようで、玉山が「現場の空気を誰よりも良くしてくれたり、スタッフに対しての距離感の取り方だったり、いつも気にしてくださっている感じがとても誇らしい。ついていきがいがある方です」と絶賛する。一方、彼女と付き合いが長いという櫻井は「“大人になったな”と思うこともあって。現場でオレンジワイン(ナチュールワイン)の話をしていたら、現場に持ってきてくれるとか……。“まさかワインの話をするとはな”って。大人になったな、と思いました」と振り返った。

自身の役柄について「裏で清家を支える役なんですけど、櫻井さんが(役に)ピッタリで、政治家としての説得力がある。そういう部分にすごく助けられていて、思い切った芝居ができています」と語ったのは玉山。櫻井は「恐れ多い」と反応しつつ「(玉山は)ものすごくカッコいい役柄を演じていて、玉山さんが(演技で)どう表現するのか毎回楽しみにしています」と述べた。

また、一足先に第1話を観たという櫻井は、玉山の演技はもちろん表情にも注目したという。「“どうやってあの表情を作るんだろう?”と思って、(第1話の)画面を観ながら一緒に真似していたんですけど、できないですね! (玉山の)表現の引き出しの多さに、いつも現場ですごいなと思いながら撮影に臨んでいるところです」と明かした。

そんな櫻井は、自身が演じる清家と鈴木は2人でひとつだと見解を述べる。「果たして清家という人間は、何を考え、どう動こうとしているのか、が話のキーになっています」と見どころを紹介した。

一方で、こんな偶然も。「今年の頭に出ていた作品(『新空港占拠』)で三郎という役をやっていまして、数カ月経って今回の一郎になって……。嵐のミュージックビデオの中では二郎という役もやっていた」と回顧すると、玉山が「『“四郎”もお待ちしています』っていう」と付け加えて笑いを誘った。

ここで、櫻井と共演シーンの多い玉山がある思いを告白。彼が「僕は櫻井さんと会話ができているという優越感に浸りながら帰っています。“今まで櫻井さんと呼んでいたけど、今日は翔さんって2回くらい言えた!”とか」と胸のうちを述べた際には、櫻井が「そんなこと思っていたの!?」と驚き、笑みをこぼした。

イベント終盤には、ゲストとして本ドラマの原作者で小説家の早見和真が登壇した。当初はサプライズの予定だったが、イベント前に顔を合わせてしまった、と笑わせた。

小説の『笑うマトリョーシカ』については「声を大にして言いたいんですけど、政治の世界を書きたい思いはひとつもなくて、ただ、人間の業、人間そのものを書きたいという気持ちがこの作品の根元にあります」と吐露。「人間がむき出しになるステージを探したときに、政治の世界が面白いなと思いました」と述べ、それと同時にキャラクターも出来上がったと明かした。

本作の印象について、櫻井は「僭越ですけど、面白くて引き込まれる作品で、万華鏡じゃないですけど、角度を変えながら、いろんな輝きを感じられる作品だと思っていて。ドラマとしても話が進むにつれてちょっとずつ見える角度が変わっていく作品になっていけたらなと思っています。ここから話が進んでいきますが、先生にも視聴者の皆さんにも楽しんでいただけるような作品を届けられたらな、と思っていますね」と熱を込めて語った。

早見は「ドラマを楽しみにしている」としつつ「櫻井さんがおっしゃった『万華鏡のような~』というお話ですが、じつは『笑う万華鏡』も1つタイトル案にあったんです」と告白。櫻井と会場に詰めかけたファンを驚かせた。

最後にメッセージを求められた水川は「毎日暑くなってきた日々の中で、信頼する2人の役者とスタッフと力を合わせて撮影をしています。ドラマは道上の目線で描かれていますが、本当の清家の顔、裏側には何があるのか、そして鈴木の今と過去と、それを取り巻く人物、2人の関係性……そこが重要で一番面白いポイントなんですよね。道上の目線が観てくださる方の目線でもあるので、一緒に最後の真相へとたどり着けたらいいなと思います」と作品の見どころを語っていた。

(文=浜瀬将樹)

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