京都市立小でいじめ、元同級生2人に15万円支払い命じる コンパス破壊「悪質」

京都地裁

 いじめが原因で登校できなくなり心身に不調をきたしたとして、京都市立の小学校に通っていた男子生徒(14)が元同級生2人を相手取り、300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、京都地裁であった。菊地浩明裁判官は、男子生徒側の訴えを一部認め、元同級生2人に計15万円の支払いを命じた。

 判決によると、男子生徒と元同級生らは2022年3月まで市立小に在籍し、4、5年時に同じ学級だった。菊地裁判官は判決理由で、元同級生らが男子生徒の机からドリルなどを無断で持ち出し、コンパスを壊した行為を「所有権を侵害し悪質」と指摘。精神的苦痛に対する慰謝料の支払いを命じた。

 一方、小学生は未成熟で、不愉快な思いをさせた言動を直ちに違法とすることはそぐわないとし、男子生徒の身体的特徴をからかい、悪口を言った行為については「社会通念上許される限度を超えた不法行為ではない」とした。

 男子生徒へのいじめについては、長期欠席があったにもかかわらず京都市教育委員会が、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定していなかったことが明らかになっており、市教委は生徒と保護者への謝罪を検討している。

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