脳震盪で救急搬送のレースから1か月 200m王者・鵜澤飛羽が復活へ「ご心配おかけした(笑)」【陸上日本選手権】

日本選手権、前日会見に出席した鵜澤飛羽【写真:フォート・キシモト/日本陸上競技連盟】

陸上日本選手権が27日開幕

今夏のパリ五輪の代表選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権が27日から4日間、新潟・デンカビッグスワンスタジアムで行われる。26日は会場で一部選手が会見。男子200メートルに出場する21歳・鵜澤飛羽(筑波大4年)は連覇へ意気込みを語った。

鵜澤はリラックスした表情で会見。「今回はパリ五輪が懸かっているので初めての五輪挑戦。そこを一番のポイントに置きたい。といっても3度目の日本選手権の挑戦。いつもと変わらず試合ができれば」と率直な心境を明かした。

昨年日本選手権で初優勝。アジア選手権も制し、8月のブダペスト世界陸上で準決勝に進出した。今季はセイコーゴールデングランプリ(GGP)を20秒40で優勝したが、フィニッシュ直後に転倒。脳震盪で救急搬送された。大事には至らず、ワールドランキングでもパリ五輪出場圏内につけるなど初の夢舞台を狙える位置にいる。

「セイコーはご心配おかけしました(笑)。気持ちが入りすぎてつんのめった。脳震盪になって2週間は様子を見て、走らずにほとんど歩くだけ。そこから少しずつ強度を上げて最近になってようやく走ることができた。2週間くらい空いてちょっと日本選手権にどうかなと思っていたけど、自分は量が走れば体が戻る。ギリギリ間に合って、勝負ができる感覚があります。

肩も痛めてやりたい練習ができなかったのは痛かったですね。一回休んで気持ちが切れたのがあって、そこがちょっと大丈夫かなと思っていたけど、なんやかんや大会が近づくとこの大会への気持ちが高まっているので大丈夫です」

初の五輪出場が手の届くところ。過去の五輪で印象に残った大会を聞かれ、「あまりスポーツ観戦しないんですよね」と言いつつ、「やっぱりリオ五輪のリレー(銀メダルの4×100メートル)ですかね。当時テレビで見ていましたけど、当時は陸上のことをよくわかっていなくて。今思い返すと凄く偉大なことをした先輩方がいたという印象です」と憧れを口にした。

自己ベストは20秒23。パリ五輪参加標準記録は20秒16と高い壁だが、「パリ五輪の標準記録は去年からずっと狙っている。そこを出せれば自ずと結果はついてくると思う。まずはこの大会に向けてやってきているので、五輪は考えずに結果を出すことを考えたい」と本番を見据えた。

THE ANSWER編集部

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