フォルクスワーゲン、音声アシスタントにChatGPT連携を提供。まず欧州から

Image:Volkswagen

フォルクスワーゲン(VW)は、新型ゴルフ、ティグアン、パサートなど同社の製品に搭載する音声AIアシスタント「IDA」にChatGPTを統合すると発表した。

これはモビリティ向けAIアシスタントソリューションを提供する企業CerenceによるChatGPT統合機能であるCerence Chat Proとして提供されるもので、今年1月のCESで展示されていたものだ。追加のアカウントは必要なく、イメージ的にはアップルがApple IntelligenceにChatGPTを統合しているのと似た方法と言えるかもしれない。

IDAはすでに音声コマンドでエアコンやカーナビの操作が可能だが、これにChatGPTが追加されることで、より自然な会話で「さまざまなトピックに関する質問に答える」能力が強化される。VWの説明では、この機能強化で音声アシスタントにスポーツの試合経過を尋ねたり数学の問題に答えたりできるようになるとされている。

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車の中で数学の課題を片付けようとする人は少ないと思われるが、要するにChatGPTができることがひととおり車での移動中にできるということだろう。VWはまた、ドライバーはChatGPTが追加されることで運転中によそ見をする必要がなくなると宣伝している。

利用者のプライバシーの扱いについては、Apple Intelligenceと同様にIDAがドライバーからリクエストを処理できない場合にのみ、質問クエリーがクラウドに匿名で送信されるとのことだ。もちろん、設定によりChatGPTの利用を無効化することも可能になっている。

現在、この機能はクラウドアップデートを通じて欧州全体の対応車種すべてに提供されている。また、2025年には米国でも導入される予定となっている。

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