橘湾で再び赤潮被害か…被害の全容つかめず、漁業者は「明日見に行くのが怖い」【長崎】

2023年に赤潮が発生し、養殖魚などに壊滅的な被害が出た橘湾で、今年も広い範囲で赤潮の発生が確認されました。

すでに養殖魚が死ぬなど影響も出ていますが、被害の全容は未だに分かっていません。

KTN記者
「長崎市の牧島です。シマアジなどの養殖が盛んな橘湾で赤潮が発生し、すでに被害も確認されています」

県総合水産試験場によりますと、長崎市の戸石地区や雲仙市の千々石地区など橘湾一帯で6月20日ごろから赤潮の発生が確認されています。

トラフグなど養殖 森木宏幸さん
「(湾が)赤くなっている。ひどいところは、きょう(26日)はこの辺りもきれいだが、昨日、一昨日までは赤かった」「今年もかという思いもあるし、今年はなんとか乗り切ろうという気持ちもある」

橘湾一帯では2023年夏にも赤潮が発生し、トラフグやシマアジなど約110万尾がへい死し、被害総額は約13億円に上りました。

森木さんが働く会社でも2023年の赤潮では育てていたトラフグなど14万匹が全滅しました。

森木宏幸さん
「フグは今のところ被害はない。タイは赤潮か分からないが何匹か死んでいた」「明日また(見に)行くのが怖いですね」

今回の赤潮は「シャトネラ」という藻の一種が原因で、魚への毒性が非常に強いのが特徴です。

魚がへい死する警戒基準は、2023年に発生した「カレニアミキモトイ」が1ミリリットルあたり500細胞なのに対し、「シャトネラ」は、わずか10細胞です。

長崎市の戸石町付近では、6月20日に1ミリリットルあたり2万を超える「シャトネラ」の細胞が確認されたエリアもあります。

森木宏幸さん
「(赤潮で)魚を殺したら終わりという思いは(漁業者)みんな同じ」「そういうことがないように祈るしかない」

県の水産加工流通課は養殖魚が死んだなどの報告は受けているものの、被害の全容はつかめていないということです。

© 株式会社テレビ長崎