「10歳だった」 “ミラクル・ターキー”の餌食となった16年前…チェコ代表FWが“自身の手”でリベンジ誓う

チェコ代表のFWヴァーツラフ・チェルニー(ヴォルフスブルク/ドイツ)が、EURO2024・グループF第3節トルコ戦に向けた前日会見に出席した。25日、公式サイト『UEFA.com』が伝えている。

「僕は10歳だった。あの試合を鮮明に覚えているし、終わったときはとても悲しい気分だったよ」と語ったのは、現在26歳のヴァーツラフ・チェルニーだ。昨シーズンまで在籍したトゥウェンテでの活躍により、“チェコのロッペン”とも称される同選手は、自身初となるEUROに参戦中。第2節ジョージア戦では先発出場していた。そして26日、幼きチェルニー少年が憧憬の眼差しを向けた代表チームを打ち破った、“因縁の相手”と相見える。

今から16年前、EURO2008に臨んだチェコは、グループA第3節でトルコと対戦した。勝てば決勝ラウンド進出となる中で、2-0のスコアを保ったまま試合終盤に突入。世界最高の守護神との呼び声も高かったペトル・チェフがゴールマウスを守っていたこともあり、同国代表の勝ち上がりを誰もが確信していた。しかし75分に1点を返されると、87分にはまさかのチェフのミスから同点ゴールを献上。さらにその2分後、逆転ゴールまで許してしまった。ラスト15分で、2点リードをひっくり返されたチェコは帰国の途につくことに。対するトルコは、この逆転勝利を境に“ミラクル・ターキー”として、EURO2008での快進撃を本格的に始めたのだ。

グループF第2節終了時点で、1分1敗の3位につけるチェコ。決勝ラウンド進出には、あの時と同様に“勝利”が必要となる中、前日会見に出席したチェルニーは「僕らの考え方は明確。オール・オア・ナッシングだ。勝てば突破できる。チーム全員が十分に準備ができているから、あとは全力を尽くそう」と覚悟。続けて「彼らがどのようなプレーをするのか、フォーメーションをどのように使い分けるのかを見てきた。常に手強い相手。大一番は、なおさらにね。僕たちは準備を整え、自分たちのプレーをする。ボールを保持し、危険なプレーを防がなければならない」と語っている。

2008年大会以降、EUROで対戦するのは2度目。2016年大会の対戦時にも0-2で敗北を喫しており、いまだにリベンジを果たせていないチェコだが、“自身の手”で成し遂げるチャンスを得たチェルニーは、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのだろうか。

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