生きた化石オオサンショウウオ 7月から一部が『特定外来生物』に指定 “在来種”はわずか2%にまで減少

7月から外来種の遺伝子をもつオオサンショウウオが特定外来生物に指定されます。

すみかとして知られる京都の鴨川では9割の個体がその対象となります。

よ~く見るとつぶらな瞳とかわいい足。オオサンショウウオは京都水族館のシンボル的な存在です。

【京都水族館展示飼育チーム長・河崎誠記さん】「こちらのオオサンショウウオは在来種のオオサンショウウオになります」

国の特別天然記念物に指定されています。
一方で…

【京都水族館展示飼育チーム長・河崎誠記さん】「この水槽の固体が全て特定外来生物に指定されます」

7月から特定外来生物に指定されるのは「中国産」の遺伝子をもつオオサンショウウオ。
この「扱い」の違いはいったいなぜ?

世界最大級の両生類といわれるオオサンショウウオは2300万年前からほぼ姿を変えておらず、「生きた化石」ともいわれています。

在来種は日本の西のエリアに生息し、京都の鴨川など近畿圏の川にも広く分布しています。

1970年代に、食用として、輸入された中国原産の「チュウゴクオオサンショウウオ」が逃げ出したり、放たれたりして川にすみついたことで日本の在来種との交配が進み、「交雑種」が生まれました。

京都市によると鴨川水系を調査したところオオサンショウウオの91%が交雑種。在来種はわずか2%にまで減っていました。

見た目はほとんど同じで、専門家でも見分けることは難しいそうです。
在来種は顔のイボが多いことやからだの色が濃くて模様が小さめなどよく見ると違いもありますが正しく分類するにはDNA鑑定が必要です。

性格にも違いがあるようで…

【京都水族館展示飼育チーム長・河崎誠記さん】「感覚的には、交雑固体・チュウゴクオオサンショウウオのほうが気性が荒いと思う」

交雑種は活発で狂暴なため、川にもともと住んでいた在来種からエサや繁殖に必要な巣穴を奪ってしまいます。

そこで、環境省は7月1日から在来種以外を「特定外来生物」に指定し、許可なく飼育したり、譲り渡したり、移動したりすることを法律で禁止します。

在来種以外のオオサンショウウオはアライグマやブラックバスと同じ扱いとなります。
在来種がまだ多く残っている川に交雑種を持ち込むことを防ぎ日本固有のDNAを守ることが目的です。

【京都水族館展示飼育チーム長・河崎誠記さん】「この子たち自身に非があるとか、悪者であるとは思っていない。全て人間のせいでこんな事が起こってしまった」

環境省は、オオサンショウウオを見つけた場合は自治体に連絡してほしいとしています。

(関西テレビ「newsランナー」6月26日放送)

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