AIとモノづくりの融合、その性能は!?草刈りに革命:全自動ロボット「Roktrack」が海外からも注目【新潟|スタートアップ】

『Roktrack(ロックトラック)』

県内のスタートアップ企業の取り組みを追いかけるシリーズ企画、今回は「全自動の草刈り機」です。プログラムとモノづくりの専門家の出会いから、海外からも注目される商品が生まれようとしています。

AIを搭載したロボット草刈り機、その名も『Roktrack(ロックトラック)』。
三角コーンに近づくと…カメラを搭載し、AIがコーンを認識。その範囲内を自動的に草刈りします。

開発するのは、プログラマーの水藤裕太さん(36)と金属加工などを手掛ける五十嵐駿さん(22)。
水藤さんは愛知県出身。大手通信会社に勤務していましたが独立し、妻の里帰り出産を機に長岡市栃尾地域にIターンで移りました。それが草刈り機開発のきっかけでした。
■水藤裕太さん
「家の周りの草がすごい大変で、どんどん地球温暖化で暑くなって前に比べて草刈り自体が重労働になって、かつ人がいないという状況になってそこをなんとかしたいなと。」

2人をつないだのが「草刈り機の開発」という偶然。水藤さんがイベントを通じて五十嵐さんのことを知り、人づてに連絡を取りました。
■水藤裕太さん
「もともとは、大型(水藤)と小型(五十嵐)の自動をそれぞれバラバラに作っていた。自分がもともとプログラマーだったので、ハードを一緒に作ってもらえる人がいないかなと思っていて。」
■五十嵐駿さん
「同じようなことをやっていて、びっくりしました。」

五十嵐さんは、長岡高専に通いながら16歳で起業しました。これは、錦鯉の体長の計測器。地元・長岡市山古志で錦鯉の養殖関連の商品などと合わせて、ラジコン型の草刈り機を開発していました。
■五十嵐駿さん
「水藤さんは、プログラム専門なので本体を作るのは難しいということで、小さいものもうちで一緒に作ろうということになりました。水藤さんのものは、手軽に置くだけで自動で刈ってくれることが魅力的でした。」

互いの得意分野を生かすことで、開発は1年ほどで飛躍的に進みました。海外からも注目されています。
■水藤裕太さん
「(草刈は)意外に困っている人が結構いて、どっちかというと海外の方が需要がありそう。イギリスの雑誌なんですが、旧型のモデルなんですが、こんな感じで乗せていただいたり。」

水藤さんの専門が、画像認識のAIのプログラム。その技術を活用し、Roktrack(ロックトラック)が生まれました。

■水藤裕太さん
「これが学習済みのデータが7万枚の画像をコンピュータに学習させて、こういう風にできるようになっている。なんでもデータさえあればできる。」

従来の草刈り機は、全自動といっても敷地内にワイヤーを敷設してその上を走らせたり、GPSを使ったものが多いといいます。Roktrack(ロックトラック)は、その設備などのコストが抑えられます。万が一の安全装置も当然完備。目の前に人が現れると…草刈り機から警告音が鳴ります。

フル充電で3時間稼働し、想定するのは自宅や公園の芝生、不動産管理地の草刈りなど。現在は、データをフィードバックしてくれる人を対象にテスト販売中です。

来年春からの本格販売を目指していて、海外展開も視野に入れています。
■五十嵐駿さん
「海外でも、自分が作っているものが動いていたらうれしいと思います。」
■水藤裕太さん
「特に除草するのってメインが高齢者の方なので、そこを苦役・重労働から解放というか、ロボットが色々なところで活躍する世の中を実現したい。」

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