『カラスの知能』は人間でいうと何歳くらい?実は生物の中でも一握りの「自己認識能力」を備えている

鳥類の中でもトップの知能を持つ賢い鳥『カラス』

カラスといえば、私たちの生活圏内のごく身近に生息している鳥です。日本では日常的に見慣れているという人が多いのではないでしょうか。

そんなカラスは、鳥の中でも最も賢いと言われていることは周知の事実です。実際、カラスの悪賢さに悩まされる人は多く、ゴミ荒らしや攻撃被害などが出ている自治体もあります。

人間でいうと7歳前後の知能を持つと言われている

カラスは人間でいうと7歳前後の知能を持っていると言われています。実際、嫌なことをしてきた相手の顔を記憶していたり、あらゆる手段を考えて食べ物を手に入れたりする様子を見ると、6〜8歳ほどの子ども程度の知能はありそうだと感じる人も多いでしょう。

一方、私たちの身近なパートナーとしても共存してきた「犬」に関しては、人間でいうと平均して3歳程度の知能と言われています。つまり、カラスは賢いと言われている犬以上の賢さを持っていることになるのです。

『カラス』が賢いと言われる理由は?

では、なぜカラスはここまで高い知能を持ち、賢さを発揮しているのでしょうか。カラスが賢いと言われる理由を見ていきましょう。

問題解決のために考え、解決法を導き出す能力がある

カラスは何か問題にぶつかると、その問題に対処しようと自分、あるいは仲間たちと一緒に解決法を模索する習性を持ちます。

このように課題に対して思考して解決法を導き出す高い能力は、人間以外にもサルやオランウータンなどの類人猿といった人間に近い少数の動物にしか見られません。

先ほど例に出した犬も問題解決のために考えて解決法を導き出す能力を持ち合わせていますが、カラスほど細かい部分まで思考し、さまざまなタスクを同時にこなすことは難しいと言われています。

自分について理解する『自己認識能力』が備わっている

特筆すべき点は、人間以外にも類人猿などの人間に近い動物にしか備わっていないとされる『自己認識能力』をカラスが持っていることが判明したことです。

自己認識能力とは、自分の性格や考え、できること、感情などを認識して正確に理解できる能力のことを指します。この能力を備えていることが、先ほどお話しした自己解決能力にもつながっていると考えられます。

少なくとも1年以上は記憶した出来事を保持している

カラスの記憶力が良いことは多くの人がご存知でしょう。例えば、カラスをいじめた人のことをしっかり記憶しており、後々仲間を引き連れて仕返しにやってくるといった事例も報告されています。

カラスの記憶力に関しては、記憶している内容や重要度などによって異なると考えられます。しかし、一般的に記憶した出来事は、少なくとも1年以上は記憶していると研究によって判明しているから驚きです。

また、出来事によっては5年経っても記憶しているケースもあり、昔にちょっかいを出したカラスに攻撃されるという可能性も否定できません。

仲間と情報共有して自分の役割をこなす働きも見せる

カラスの特性として、仲間と正確な情報を共有し合い、その仲間の中で自分の役割をしっかりこなすことができるという点も「賢い」といわれる理由の1つです。

例えば「あのゴミ捨て場は食べ物が取りやすかった」という情報や「あの人間に仲間が攻撃された」といった情報を共有していると考えられています。

実際、「一度荒らされたゴミ捨て場にカラスが大勢押し寄せて大惨事になっている」という自治体も多く、これは情報共有によって生じている状況です。

カラスは人類に近い賢い動物に加わるほどの知能を持つ鳥

いかがでしたか。カラスは悪賢いと言われていますが、詳しく見ていくと考えていた以上に賢い鳥であることがわかります。むやみにカラスに近づいたり、攻撃したり、あるいは絶好のターゲットとして認識されないよう気をつけなければなりません。

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