元阪神エース・井川慶氏 阪神が好機を逃してのドローにも「前向きに捉えていい」と考える要因とは

 12回表を無失点で終え大竹(左)とタッチを交わす漆原(撮影・立川洋一郎)

 「阪神1-1中日」(26日、甲子園球場)

 延長十二回までもつれた試合は、結果的にドロー決着となった。阪神としては、九回に1死満塁、延長十回に2死一、三塁とサヨナラの好機をつくっただけに、勝てなかった試合とも捉えられるが、デイリースポーツ評論家で元阪神エースの井川慶氏は「前向きに捉えていい引き分けだと思います」と振り返った。

 「もちろんチャンスで勝てなかった悔しさはあるでしょうけど、まず阪神の武器である投手力というものが、しっかりと発揮されて粘れたことが大きいですね。打線も、中軸にヒットが出てきているので」

 確かにチャンスでの一打が出ない展開となったが、そこで負けずに粘れたのは投手陣の踏ん張りがあったからこそだ。

 「長いシーズン、打線には必ず波があるものなので。あまり良くない時に、投手陣まで崩れて負けてしまうと、流れとしてしんどくなりますが、この日のように投手陣がカバーして引き分けられたところに価値がありますね。延長十二回も漆原投手がよく粘って抑えましたから」

 今の阪神打線については「1番から近本選手、中野選手という並びは、やはり投手からすれば嫌ですよね」と話す。だからこそ「繰り返しになりますが、打線は波があるもの。ここから近本選手と中野選手の状態が上がってくれば、大丈夫だと思います」と、今後の戦いに期待を寄せた。

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