黒部ダム 迫力アーチ 観光放水始まる

日本最大級のアーチ式ダムから噴き出す放水を楽しむ観光客=立山町の黒部ダム

 壁面の高さが186メートルと日本一を誇る黒部ダム(立山町)で26日、毎年恒例の観光放水が始まった。初夏の北アルプスを背に毎秒15トンの水が勢いよく噴き出してアーチを描き、鮮やかな虹が架かる光景に観光客が歓声を上げた。

 英国から家族や友人と訪れたジェシカ・チョンさん(54)は「ビューティフル」と感激し、「残雪の山並みと湖と合わせて景色が素晴らしい。米国や中国で大きなダムに何カ所も行ったが、迫力の放水が見られるここが一番」と笑顔を見せた。

 奈良県から友人4人と初めて来たというパティシエ竹村仁之さん(56)は「虹が二重に架かってきれいだった」と感動した様子だった。

 観光放水は「クロヨン」の愛称で知られる、水力の黒部川第4発電所の運転が始まった1961(昭和36)年から毎年、黒部峡谷の景観維持を目的に行われている。10月15日まで毎日、朝から夕方に放水される。

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