【現地記者が選ぶプレミア歴代ベスト11(1)】マンUから7人を選出!スーパースターの先駆けとして唯一無二の存在だったのは?

1992年に創設され、いまや欧州トップリーグの地位を確立しているプレミアリーグ。多くのトッププレーヤーが活躍してきたこの32年の歴史のなかで、最高の11人を選ぶなら誰か。5人の英国人記者に歴代ベストイレブンを選出してもらった。第1回はジェームズ・イーストハム記者だ。

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1992年のスタートから約30年の歴史を刻んだプレミアリーグを彩ってきたのは、世界のトッププレーヤーたちだ。プレミアのピッチに立った経験がないスーパースターは、それこそリオネル・メッシくらいのものだろう。ゆえに歴代のベストイレブンを選び出すのは極めて難しい作業だ。

プレミアリーグの30年間でもっとも成功を収めたチームといえば、マンチェスター・ユナイテッドだ。13回の優勝は他の追随をまったく許さない。アレックス・ファーガソンが指揮した歴代のユナイテッドで傑出したパフォーマンスを見せた絶対的な主軸、ペーター・シュマイケル、リオ・ファーディナンド、ガリー・ネビル、ロイ・キーン、デイビッド・ベッカム、クリスティアーノ・ロナウド、そしてエリック・カントナはやはり外せない。

フランスの鬼才カントナは、常勝ユナイテッドを築いた礎として、プレミアリーグの魅力を世界に発信したスーパースターの先駆けとして、唯一無二の存在だった。

ジョゼ・モウリーニョのもとで無敵を誇った2000年代のチェルシーのコアメンバーも入れなければならない。闘将ジョン・テリー、中盤から驚異的な得点力を見せつけたフランク・ランパード、史上最高の左SBと称されるアシュリー・コールの3人は、精巧な機械のように機能したモウリーニョのサッカーを体現する存在だった。

最後のひとりは、アーセン・ヴェンゲルとともにアーセナルを高みに押し上げたティエリ・アンリ。アンリが放った光彩はあのインビンシブルズのなかでも別格だった。

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最後に監督について。疑いの余地はない。アレックス・ファーガソンはプレミアリーグ史上、いや英国フットボール史上最高の監督だ。13回のプレミアリーグ優勝は断トツの歴代最多で、1999年にはチャンピオンズリーグ、プレミアリーグ、FAカップを制覇するトレブルの偉業を成し遂げている。ペップ・グアルディオラも、ジョゼ・モウリーニョも、アーセン・ヴェンゲルも、ファーガソンには遠く及ばない。

◎イーストハム氏が選出した2ndイレブン
GK:ペトル・チェフ(チェルシーなど)
DF:カイル・ウォーカー(マンチェスター・Cなど)
DF:ヤープ・スタム(マンチェスター・U)
DF:ソル・キャンベル(トッテナムなど)
DF:デニス・アーウィン(マンチェスター・Uなど)
MF:パトリック・ヴィエラ(アーセナルなど)
MF:スティーブン・ジェラード(リバプール)
MF:ダビド・シルバ(マンチェスター・C)
MF:ウェイン・ルーニー(マンチェスター・Uなど)
MF:エデン・アザール(チェルシー)
FW:セルヒオ・アグエロ(マンチェスター・C)

■ジェームズ・イーストハム
著者プロフィール/イングランドとフランスのフットボールに精通するライターで、時事ネタから戦術モノまで多様な記事を世界のさまざまなメディアから発信している。独自の情報網と分析力を活かしてプレミアリーグの複数のクラブと移籍コンサルタントの契約を結んでもいる。

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