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昨シーズン限りでユニホームを脱いだ元日本代表MFの小野伸二氏が、DAZNで6月26日に配信されたドキュメンタリー「SHINJI ONO」で、これまでのキャリアを振り返っている。
44歳まで現役を続けたファンタジスタは、しかし20代半ばにして引退を考えた時期があったという。
きっかけは、ジーコジャパンの一員として戦った2006年ドイツ・ワールドカップのオーストラリア戦だった。このグループステージ初戦でベンチスタートだった小野氏は、1-0でリードして迎えた79分に投入される。
しかし、日本はここから13分間で3失点。手痛い逆転負けを喫した。
1-3で重要なファーストマッチを落とした日本は、1分け2敗と1勝もできずにグループステージで敗退。大会後、小野氏の元には、心ない声が寄せられたという。
「自分自身も国を背負って戦って行く中で、誹謗中傷じゃないですけど、目の敵じゃないけど、自分自身に多く来ていた。まだ26歳とかの年齢だったので、気持ち的にも堪えていた。もちろんピッチ上の痛手というか、気持ちの面でも落ち込んだ中で、またそういうものでさらに追い込まれていた部分があった。いろいろ考えさせられた」
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精神的に落ち込んでいた“天才”は、その一戦以来、サッカーを楽しめなくなっていたという。
「サッカーを心から楽しめなくなったというか、あの試合の後からそういう時期が続いて。どうしても自分が悪かったというのもそうだし、周りからも批判もそうですし、そういうものを受けすぎてしまって、もう辞めてもいいかなと一時期は思いましたね」
「率直に18年前に戻りたい。変えられるものなら変えたい」と本音をこぼしつつも、「人生の中でいい時ばかりじゃなく、そういうこともあってサッカー選手としてではなく、人間として変われることもたくさんあったと思う。人間として成長を得られた部分もある」と当時を振り返った。
長いキャリアの中でも、印象的な試合のひとつとなっているようだ。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部