巨人・坂本勇人、不振の要因は「眼」にあり…? キャリアワースト「35.3%」に現れる苦戦の跡

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レギュラー定着後、故障以外の登録抹消は初

巨人は26日、坂本勇人の出場選手登録を抹消した。

プロ2年目の2008年から長きに渡って巨人の正遊撃手を務め、キャリア18年で通算2162試合に出場している35歳。昨秋から慣れない三塁のポジションに回るも華麗なグラブ捌きは健在で、今季は59試合の出場で守備率.986をマークしていた。

しかし、通算2375安打を記録するなど強みであるはずの打撃で苦しみ、今季はここまで打率.234と低迷。この6月は12試合の出場で月間打率.159と特に苦戦が目立ち、阿部慎之助監督は登録抹消を決断した。

2008年のレギュラー定着以降、故障やコンディション不良以外での二軍降格は初めて。長年チームを支えてきた柱に何が起こっているのか、細かなデータを探ってみると、浮かび上がってきたのが「ボールゾーンの投球」に対する成績の悪化だ。

キャリアワーストの「35.3%」

坂本がレギュラーの座を獲得した2018年以降の「ボールゾーン」に関するデータを見ると、今季のボールゾーンスイング率「35.3%」の異質さが目につく。

これまでのキャリアにおいて、ボールゾーンスイング率が30%を上回っていたのは、“実質1年目”にあたる2008年(31.4%)が唯一。143試合に出場して打率.312をマークした2019年の24.1%がキャリア最高の成績となっている。

その他の年も25~27%台で安定していたが、昨季は28.7%とキャリアで2番目に悪い成績に。そして迎えた今季、ここまで61試合の出場でボールゾーンスイング率は「35.3%」。これはリーグの規定打席到達者でワースト6位タイという数値だ。

巨人は25日終了時点で70試合を消化し、33勝32敗5分はリーグ3位。首位まで3ゲーム差も最下位までも3.5ゲーム差という“混セ”を勝ち抜いていくために、やはりここ一番で頼れるベテランの復調は待たれるところ。

もうすぐシーズンも折り返し。リフレッシュ期間を経た背番号6がいつ、どのような状態で一軍に戻ってくるのか。後半戦のひとつのポイントとなりそうだ。



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