都知事選・蓮舫候補へのネガキャンが目にあまる…マスコミにはできるだけ平等に報道してもらいたい

参院議員時の山本一太氏(2017年)/(C)日刊ゲンダイ

【ラサール石井 東憤西笑】#210

私が嫌いな政治家の1位は麻生太郎氏、次に甘利明氏、次は下村博文氏だが、この人も嫌いだったことを思い出した。現群馬県知事の山本一太氏だ。

まあ、好き嫌いは人の自由であるが、理由も言わずこう書くのはいかがなものかと思われる方もいるだろう。というのも山本知事が定例記者会見で都知事選に触れ「本音を言うと蓮舫知事は見たくない。国会議員活動を見てきたが、ひたすら批判、批判、批判だった」と語ったからだ。小池百合子氏については「大変したたかな人で仲間内では人気がなかったが(一言多いのが山本氏らしい)、明るく、発信するメッセージがポジティブだ」と評価し、再選に期待を示した。

さらに「政治は人間がつくるので、政策の良い悪いでなく、優しいか意地悪かはものすごく大事だ」と語った。

我が目を疑ったが、この場合「優しい」=小池百合子、「意地悪」=蓮舫になるらしい。私は小池氏が「優しい」なんて思ったことは一度もないが。

いや、これも個人の感想だから別にいいのだが、これが知事として会見で述べることだろうか。あまりにも感情的で露骨な印象操作ではないか。またしても蓮舫たたきのネガキャンだ。

私なんかがコラムで言うのとは訳が違う。知事という立場にいながらネガキャンに加担するのはちょいと軽々しくないか。

ネガキャンといえばTBS系「アッコにおまかせ!」の露骨な小池擁護、蓮舫いじめにも驚いた。前回はフリップで都知事の業績を称え、若い女性タレントやアイドルに「リセットって言われると生活がガラッと変わってしまうのかと思う」「小池都知事の3.0で暮らしやすくなるのかな」と言わせた(のか彼女らが空気を読んだのか)。

今週も両人を均等に説明しているようでアッコさんは何かというと小池氏寄りの発言をする。

そこでバランスを取るべくカンニング竹山くんが小池氏の問題点を列挙して「今、小池さんの方になびいたんで、気持ち悪いなあと思う視聴者もいると思って」とはっきり言ったのはグッジョブではあった。

選挙に対してマスコミはできるだけ平等に報道してもらいたい。神宮外苑再開発や、プロジェクションマッピングの入札の経緯が全くブラックボックスである問題も報道して欲しい。そうでなければ、結果、東京都民を弱らせ、東京を弱らせ、そして日本を弱らせていくことになるのに気づいて欲しい。

(ラサール石井/タレント)

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