【漫画】地球最後の1週間、高校で過ごすことを決意した二人の結末は? 切なくも瑞々しいオリジナル漫画にキュン

地球があと1週間で崩壊してしまうとしたら、誰と何をして過ごすだろうか。5月中旬にXに投稿されたオリジナル漫画『地球最期の1週間、学校で暮らしてみた高校生の話』は、そんな極限の状況と青春の瑞々しさが胸に迫る。

巨大な隕石が接近し、地球滅亡まで残り1週間。当然のように閑散とした高校に、貴樹と詩乃だけが登校していた。貴樹は詩乃に以前から好意を持っていたことを伝え、残されたわずかな時間を学校で一緒に過ごそうと提案。詩乃はその言葉を了承して、2人きりの生活をスタートさせる――。

本作を描き上げた当時、作者の小形朱嶺さん(@akamine8787)は高校生だったという。だからこそのリアリティを感じる本作がどのように生まれたのか。現在は、漫画家アシスタントを経て連載の準備中だという小形さんに話を聞いた。(望月悠木)

■自分が一番気持ちを乗せて描ける設定

――なぜ『地球最期の1週間、学校で暮らしてみた高校生の話』を制作したのですか?

小形:漫画の月例賞に出すために描きました。当時高校生だったのですが、「私が一番気持ちを乗せて描ける設定とは?」と考えて生まれた作品です。初めて本格的に原稿にした作品だったので、コマ割り方法など漫画精査における基本をほとんどわかっておらず、漫画の指南書を参考にしながら原稿作業を勧めました。

――“一番気持ちを乗せて描ける設定”として地球が滅亡する世界での青春恋愛漫画を選んだ理由は?

小形:私は音楽から影響を受けることが多いです。当時はボカロPとして活動しているsasakure.UKさんが手がけた『終末シリーズ』をよく聞いており、そこから着想を得ました。「切ないけど、美しい純愛を描きたい」というイメージを持ってストーリーを膨らませていきました。

――ちなみに地球滅亡が目前であるにもかかわらず、学校の水道や電気のインフラが生きていたり、ネットニュースが更新されたりしていました。“地球滅亡目前なのに最低限の国民の生活が保障されている”という世界観でストーリーを展開させることに葛藤などはありましたか?

小形:特に葛藤はありませんでした。正確に言うと、そこまで頭が回らなかったと言うべきかもしれません。正直、今描くとなったら修正すると思います。6年前だったから描けた設定かもしれないです。

■今見返すと少し恥ずかしくなる

――貴樹と詩乃のメイン2人を誕生させるうえでこだわったところは?

小形:とにかく正反対な2人にしたくて作ったキャラです。女の子は昔から描くのが好きだったので、当時は「私の中で一番可愛い女の子だ!」と思って詩乃を描きました。男の子はまともに描いた経験がほとんどなかったため、貴樹を描くのはかなり苦戦した記憶があります。

――ハグやキスではなく“顔を近づけて愛を確かめ合う”というラストにも初々しさを感じました。

小形:ハグやキスがなくても心の底から満たされ合う、そんな運命の人同士の2人を描きたくてこのラストにしました。

――本作は“人生で初めて描いた漫画”とのことですが、今改めて読み返してどのように感じますか?

小形:「状況設定をもう少し練った方が良かったかも」という反省はあります。内容も直球で今見返すと少し恥ずかしくなってしまうのですが、「その直球さが良かったのかな」とも思っています。

――最後に今後はどのように漫画制作を進めていきたいですか?

小形:連載準備中です。“可愛い女の子といったらこの漫画家”と思ってもらえるような作品を描けるように頑張ります!

(望月悠木)

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