平井氏トキ鉄社長就任 鳥塚氏は大井川鉄道(静岡県)へ

(左から)鳥塚相談役、平井社長、藤山専務

えちごトキめき鉄道(上越市)は26日株主総会を開き、提出した全議案が承認された。総会後取締役会を開き、新社長に元国土交通省北陸信越運輸局長の平井隆志氏(57)が就任した。藤山育郎専務(65)は代表権のある専務に就いた。鳥塚亮社長(63)は相談役に退き、経営立て直しが急務の大井川鉄道(静岡県島田市)で社長に就く予定。

平井氏は東京都出身。1990年に旧運輸省(現国土交通省)入省。近畿運輸局自動車技術安全部長、自動車局安全政策課長などを経て、2021年7月から23年7月まで北陸信越運輸局長を務めた。今年1月から佐渡市の観光交通政策アドバイザー。トキ鉄の最大株主である県の要請を受け、経営の陣頭指揮を執る。

就任会見で平井氏は「三セク鉄道は非常に厳しい状況で、課題も多いと理解している。地域を鉄道という『線』で結び、鉄道以外の交通を活用し面に広げ、全体の誘客を促進したい」と抱負を語った。

トキ鉄について「まだできることはある。乗り換えの利便性向上など使ってもらうための工夫、新規顧客の誘客促進、地域活性化のため鉄道事業者・自治体だけでなく産業界、金融機関も巻き込んだアプローチが必要。最初から(国の)支援ありきでは努力しなくなる。一事業者としていかに税金投入を減らすか。努力が必要だ」と述べた。

鳥塚氏は退任に当たり「トキ鉄は地域密着型で、地域から理解がもらえる会社になった。今度は国の支援。そのバトンを平井社長に渡した」と話した。

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