森保監督が明かす「守田英正の提言」の〝真相〟 SNS対策には強い決意

熱い対談を行った森保監督(左)と武田修宏氏

森保ジャパンはSNS問題とどのように向き合うのか――。サッカー日本代表の森保一監督(55)と元日本代表FW武田修宏氏(57=本紙評論家)による盟友対談。後編では、8強に終わったアジアカップや大会後に反響を呼んだMF守田英正(29=スポルティング)による提言の〝真相〟を明かした。また、2026年北中米W杯アジア最終予選に向けた意気込み、近年問題化しているSNS対策についても見解を語った。

武田氏(以下、武田)アジアカップは現場サイドとしてどんなことを感じたかな。

森保監督(以下、森保)優勝しなければいけない大会だったので、8強で敗退して批判を受けることについては当たり前と思います。真摯に受け止めないといけない。本当に悔しかった部分では、過去の日本に戻った負け方をしてしまったこと。イラク戦もそうですけど、ラフにボールを放り込んでくるフィジカル勝負をしてくる相手に、押し込まれて受け身になって、我々の良さを出せず試合を落としてしまいました。

武田 相手はW杯で日本がドイツとやるように「絶対勝つんだ」という感じで向かってきた。アジアの底上げを感じた。

森保 W杯の出場国枠が8・5に広がり、アジア全体が国策としてサッカーの強化が進んでいるなとすごく感じました。

武田 結果が出ない時は、個性の強い選手がいっぱいいるから森保監督も大変だろうね。

森保 選手の主張に関しては、いつもすごくポジティブに捉えています。負けた後に、多少批判的に聞こえるようなコメントをしている選手もいますけど、それは大きな問題だと全く思っていません。日本が勝っていくために、チームをレベルアップするために、強い思いがコメントとなっていると受け取っています。日本国内では〝良い子〟の発言を求められるかもしれないですけど、欧州ではこれくらい当たり前なんじゃないかと。

武田 アジアカップの時もあったよね。

森保 たぶんそこは守田のことが一番大きいと思うんですけど、メディア対応の中で一文が切り取られるじゃないですか。文脈の中で、それがどうだったのかは分からないので。みんなそれぞれの意見があると思うので、できるだけ選手の意見も取り入れながら、よりチームとして力を発揮できるように。それも意見の一つとして考えてやっていくということは、あの時は伝えました。

――カタールW杯の最終予選は難しい戦いが続いた。今回はどういう戦いをしたいか

森保 やっぱり経験は生かしていきたい。スタートから安定した、よりアジアを確実に勝っていく戦いをできればとは思いますけど、何が起こるか分からない。前回の戦いで1戦目負けた時には、みんなが普通の状態でプレーできると思って集まってきて、結局はパフォーマンスがそこに追いついてなくて。そこは経験を足さないといけないかなと思います。欧州も暑いけど、日本のほうが暑い。(欧州のリーグ戦が)開幕してもうみんなヘロヘロになって長距離移動してきて、まだ時差ボケも取れていない、体もフィットしていない中で、100%のことをやろうとすることは大切だけど、難しいところはあるのでうまくいかなかった。そこは経験を生かして戦いたいです。

――W杯やアジアカップではSNSの問題もあった。対策は可能か

森保 SNSの誹謗中傷で傷ついて、選手が被害者ということになれば、それは法律で発信した側を突き止めて、ペナルティーは受けてもらうということはできると思う。アジアカップの時もそうですね、(鈴木)彩艶(シントトロイデン)などは。私は流せますけど、選手は本当に痛みを抱えたりとかなった時には突き止めさせてもらう。協会であったり、それができる機関、警察などにも相談できるということは考えている。

武田 俺も現役時代、ひどい言葉のメールが来たり、カッターナイフとかも送られてきたよ…。

森保 対応できる機関の方に頼り、解決してもらうようにしたい。選手には、自分たちが〝ファミリー〟としてやっていて、まずはチーム内でやっていることを信じて、人を信じてということをまず第一に考えていくことを伝えていきたいと思いますね。外部の反応については、まずは自分たちがやることをやって、お互い信じてやっていけるように共有していきたいです。

© 株式会社東京スポーツ新聞社