足立正生監督の最新作は「桐島聡」、古舘寛治主演で7月クランクイン

足立正生監督(C)日刊ゲンダイ

日本赤軍の元メンバーで映画監督の足立正生氏(85)が、新作「逃走、貫徹!(仮題)」で極左過激派の人生に焦点をあてることが明らかになった。

1970年代の連続企業爆破事件に関わったとされ、長く顔写真とともに指名手配されていた「東アジア反日武装戦線」元メンバーの桐島聡。半世紀に及ぶ逃亡劇の末、ことし1月に病院で亡くなった男の最後の4日間を、自らの半生と重ね合わせて描くそうだ。

すでに出演者オーディションを開催し、2800人もの応募があったという。山崎裕カメラマンと9年ぶりに組み、主役は足立監督が出演を熱望した古舘寛治(56)が務める。

エグゼクティブプロデューサーは、ロフトグループ創業者の平野悠氏。

《足立さんの脚本も14稿と進みその意気込みが凄い》とSNSでつづっているように7月上旬のクランクインへむけ、着々と準備が進められているようだ。

足立監督は2022年、安倍元首相銃撃事件で実行犯の男の半生を描いた映画「REVOLUTION+1」を監督、国葬反対を掲げて国葬前日と当日にイベント上映会を開き、大きな話題となった。

新作については、こんなコメントを発表。

「警察による誤認手配に50年間追われ、辛苦の逃走を続けた青年・桐島聡が獲得しようとしたものは何か。彼の生きざまは、地獄の沙汰では済まない残虐世界だったのか。しかし、同時に、死の間際に『私はキリシマサトシだ!』と名乗り出て表現し、獲得しようとしたものは何か。それは、彼が生きた怨念となった『革命への確信』への証しだったのだろう。それらは、映画でしか描けない」

足立監督はことし5月には「パレスチナ反戦デモ」への参加を呼び掛ける集会にゲスト出演。反骨の映画監督が描くキリシマサトシが楽しみだ。

© 株式会社日刊現代