マジか!?  桑木志帆さん、こんなペラペラな"男前アイアン"を打ちこなせるんですか?【女子プロセットのどこマネる!?】

ドライバーは『B-Limited B1 LS』、アイアンは『ツアーB X-CB』というアスリートモデルを使用

今季ツアー初優勝を狙っているショットメーカー、桑木志帆のセッティングを分析。アマチュアの参考になる点を、フィッター兼クラフトマンの吉田智氏に聞いた。

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桑木プロのスイングは非常に特徴的です。ベタ足で打つことで軸を保ち、正確にミートしています。下半身を積極的に使わないベタ足で打つ分、フェースローテーションをしないと球がつかまらないため、ヘッドは重心距離が短い小型ヘッドが合います。

ドライバーでは『B-Limited B1 LS』というディープ形状を使っています。重心距離が短く、フェースコントロールしやすいモデル。スイングによってフェースローテーションを行い、球をつかまえています。だから、意図通りにフェースターンできるディープ形状が合うのでしょう。それは3番ウッドでも同様のことが言えます。

ドライバーのシャフトは『ジ・アッタス V2 SS』を、フェアウェイウッドは『ジ・アッタス V2 プロト』を使用しています。どちらも先端と手元が硬い中調子。癖がなくタイミング良く振れてそこそこつかまるシャフトなので、採用していると推察されます。

彼女の生命線ともいえるアイアンは、軟鉄鍛造のアスリートモデル『ツアーB X-CB』を投入。コンパクトなヘッドでヘッドコントロールがしやすい。また、高重心ヘッドのため、ダウンブローに打つ彼女のスイングにマッチしています。シャフトは『N.S.プロ 850GH S』で、中調子モデルです。他の番手と振り感が統一されている点は素晴らしいですね。

唯一シャフトの特性が異なるのがユーティリティ。『LINQ EX HY 75S』は中元調子で手元が軟らかく、ほかのシャフトと振り感が違います。この点は不思議ですね。ヘッドはウッド型UTの『B2HT HY』を選んでおり、重心深度が深く球が上がりやすいモデルを選んでいます。ユーティリティだけ球がつかまって上がるヘッドに、つかまりすぎないシャフトを組み合わせています。ユーティリティはヘッドの力を借りて球をつかまえて上げたい意図があるのだと思いますね。

セッティングで大切なのは、ヘッドとシャフトのどちらで球をつかまえるかを考えることです。どちらもつかまるモデルでは、引っかけを誘発してしまいます。つかまるヘッド&逃がすシャフト、逃がすヘッド&つかまるシャフトという基本的な組み合わせを意識すると良いでしょう。

【桑木志帆のクラブセッティング】
1W:ブリヂストンB-Limited B1 LS(9.5度/ジ・アッタス V2 SS)
3W:ブリヂストン B1ST(15度/ジ・アッタスV2プロト)
3,4U:ブリヂストン B2HT HY(19,22度/LINQ EX HY 75S)
5I~PW:ブリヂストン ツアーB X-CB(N.S.プロ 850GH S)
48・54度:MOZウェッジ
58度:ブリヂストン BRM2(N.S.プロ 850GH S)
PT:オデッセイ Ai-ONE ミルド SIX T DB
BALL:ブリヂストン ツアーB X
※2024年開幕時のセッティング

■桑木志帆
くわき・しほ/2003年生まれ、岡山県出身。2021年にプロテスト合格。23年に切れ味鋭いアイアンショットを生かしてメルセデス・ランキング10位に躍進。今季初優勝を狙う。大和ハウス工業所属。

■吉田智
よしだ・さとし/クラブメーカーを経て「プレミアム ゴルフスタジオ」(渋谷区)でフィッターを務める。アマチュアだけでなく多くのプロからも信頼され、これまでに女子ツアー5勝、ステップ・アップ・ツアー1勝、シニアツアー1勝をサポートしている。

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