タイガーは過去にメジャーV 三ヶ島かながドット柄の“レア武器”を持っていた【きょうのヒトネタ!】

三ヶ島かなが熱心にパター練習をしている。その手に握られているパターがレアものだった!(撮影:佐々木啓)

ゴルフのトーナメント会場は“ネタの宝庫”。ただ、そのすべてを伝えることはなかなか困難なこと…。そこで現場記者がコースを歩くなか“見た”、“聞いた”もののなかからちょっと気になった1つのテーマ、すなわち“ヒトネタ”をご紹介! 今回は「資生堂 レディスオープン」が行われている戸塚カントリー倶楽部 西コース(神奈川県)から。

開幕前日の会場を歩いていると、練習グリーンでドット柄が目立つパターで練習している三ヶ島かなの姿を発見。気になってしばらく見ていると、カップを囲むようにティを円形に数本刺し、その位置からカップインさせるなど熱心に取り組んでいた。一息ついたところで、パターについて話しかけてみると「そうなんですよ~、可愛いですよね!」と特徴的なドット柄の一本で、その場が盛り上がる。

このパターの正体は、スコッティキャメロンの『トレリウム T22 ニューポート』だった。トレリウムという銅型のインサートになっていて、三ヶ島はこの打感がお気に入り。「削り出しな感じ。なんて言えばいいのかな、軟らかいと表現すればいいのか、弾くというか。良いとこ取りという感じです」。手に残るこんな絶妙な感覚もたまらない。

「削り出しの良さを生かしつつ、少しインサートの重量配分などやさしい要素も入っています。キャメロン使用者のなかでも好まれる方が多いですね」と同メーカーの担当者も胸を張る。それを横で聞いた三ヶ島も「本当に…」と深くうなずく。

ドット柄が「かわいい」と感じさせるパターだが、1997年の海外メジャー「マスターズ」を当時21歳3カ月のタイガー・ウッズが制したときに使用されていたパターのリバイバルだった。ほかにも2023年の「全米プロゴルフ選手権」でメジャー5勝目を飾ったブルックス・ケプカ(米国)は同じトレリウムのフェースである『T22ニューポート2ツアープロトタイプ』で5つの栄冠全てを獲得している。“大物”たちも手を伸ばしてしまう逸品。三ヶ島は使用プロのことを聞くと「私も大物にならないと」と笑顔を見せた。

ヘッドの上部分を見てみるとアライメントラインがないモデルだ。「どこを向いているかわからなくなってしまうんです。線を頼りすぎてしまうみたい。それでないほうがいいなって」。せっかくラインを読んでボールを合わせて置いても、ヘッドを構えたときに見えるラインによって方向に迷いがでてしまうことを防いでいる。

ちなみにこのパターを使用している国内女子ツアーの選手は三ヶ島のみという、レアもの。男子ツアーでは阿久津未来也が使用している。“大物”たちがビッグタイトルを刻んだパターで、今季初優勝を狙って戦っていく。(文・高木彩音)

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