南大沢北側都有地 アウトレット継続へ 事業者に三井不動産を選定 八王子市

公開された完成予想図

東京都都市整備局は6月17日、「南大沢駅北側都有地活用事業」の事業予定者に、同所で「三井アウトレットパーク多摩南大沢」を運営している三井不動産(株)を選定したと発表した。事業者の公募は、同アウトレットの定期借地契約が2025年に終了することを受けて実施したもの。これによりアウトレットの営業継続が決定し、撤退を心配していた地域住民らも胸を撫で下ろしている。計画では既存の建物を利用しつつ、一部を建て替えて店舗数を拡大、イベントスペースの新設なども予定されている。

南大沢駅と東京都立大学の間に位置する約4万7538平方メートルの都有地。2000年に同社が都と15年間の定期借地契約を結びアウトレットを開業、後に契約を25年まで延長した。契約期限が近づいたことを受けて都は今年5月、25年以降に同所の活用を希望する事業者からの提案を公募型プロポーザル方式で募集。これに同社1社の応募があり、提案内容を外部有識者からなる審査委員会が審査し事業予定者に決定した。都の担当者は「南大沢周辺のにぎわいの継続と発展に寄与する魅力ある商業施設が運営されるよう、都としても協力していきたい」と話す。

施設の運営期間は30年間。これに施設の建設と除却期間を加えた期間が貸付期間となる。同社の提案貸付料は月額5752万1040円。

新設や地域連携も

同社提案のコンセプトは「にぎわいの継続&発展〜さあ、南大沢から未来をかえよう〜」。現在「ファクトリーアウトレッツ『A街区』」となっている西側の「A画地」は、既存の建物をそのまま利用することで約9割のテナントが継続営業できるという。「ファクトリーアウトレッツB街区」となっている東側の「B画地」については、建物を建て替えて店舗数を拡大するほか、フードコートやイベントスペースなどを新設して地域コミュニティにも開放、スポーツやエンターテイメントコンテンツを活用したイベントで学生などの新たな顧客層の獲得を図る。B画地のさらに東側で平面駐車場となっている「C画地」については、既存のまま利用する。

また南大沢地域が都の「スマート東京実施戦略」の先行実施エリアの一つに選ばれていることから、市や都立大、地元企業らでつくる「南大沢スマートシティ協議会」に参画して先進技術の実証実験などに協力すること、南大沢駅周辺の事業者と地域住民からなる「『元気な街』南大沢協力の会」にも参画して、地域と連携したイベントを実施することなども提案に盛り込まれている。

計画では今年度中に基本協定を締結、25年度に事業用定期借地権設定契約の締結とB画地の着工、27年度の工事完了を予定している。同アウトレットの須田亮太所長は「事業を継続させていただく運びとなり、地域の発展やコミュニティの場としてお役に立てる施設づくりをしていきたい」とコメントを寄せた。

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