日本で初めて障害ある子のクラス 横須賀の伊与田バレエスタジオが50周年

創立50周年記念公演に向け、「白鳥の湖」のワンシーンを練習する生徒=21日、横須賀市追浜町の伊与田バレエスタジオ

 誰もが楽しめるバレエを目指して指導、育成に努めてきた「伊与田バレエスタジオ」(横須賀市追浜町)が30日、よこすか芸術劇場(同市本町)で創立50周年記念公演を行う。プロとして活躍する卒業生や、4~80歳と幅広い年齢の生徒、障害がある生徒ら総勢100人がステージで舞う。主宰の伊与田あさ子さん(74)は「思い切りやりたい。一生懸命がむしゃらにここまでやってこられた達成感をみんなで味わいたい」と思いを込める。

 記念公演で披露するのは「50年のあゆみ 歓喜の踊り」。スタジオの歴史をバレエで表現する。ベートーベン交響曲第九第4楽章「歓喜の歌」にのせ、100人が心を一つにして踊る。

 原点は1974年。横浜市磯子区の自宅マンションの一室だった。高校卒業後に日本3大バレエ団の一つ、チャイコフスキー記念東京バレエ団で活躍したが「当時は23歳までに結婚しないと世間から冷たい視線を浴びたの」と退団。24歳で3人の生徒に教え始めた。

 日本経済が急速に成長した時代。口コミで生徒は増えていく。長女の未亜さん(47)に知的障害があったこともあり、日本で初めて障害がある子どもたちを対象とする「エンゼルクラス」を97年に設置。99年には追浜スタジオを完成させた。地元のお祭りで生徒と一緒にみこしを担ぐなど地域に根ざしてきた。

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