中国に抗議以上の対応必要、南シナ海問題でフィリピン大統領

Neil Jerome Morales Mikhail Flores

[マニラ 27日 ロイター] - フィリピンのマルコス大統領は27日、南シナ海で17日に中国海警局船の衝突で自国軍兵が重傷を負ったことについて、中国の「違法行為」への抗議だけでなく「それ以上のこと」をする必要があると指摘した。

「われわれは100回以上抗議している」とした上で「それ以上のことをしなければならない」と述べた。

17日の中国海警局の行動について、発砲はなかったため武力攻撃とは言えないが、フィリピン軍の補給活動を阻止する意図的行動だと指摘した。

在マニラ中国大使館はマルコス大統領の発言にこれまでのところコメントしていない。

米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、米国がフィリピンと締結している相互防衛協定は「フィリピン軍のほか、沿岸警備隊のものも含む船舶や航空機に対する南シナ海での武力攻撃」にも適用されると指摘した。

これに対し中国国防省の呉謙報道官は、フィリピンと中国が領有権を争う南シナ海のアユンギン礁(英語名セカンド・トーマス礁)について「米国が関与する問題ではないと強調したい」とし、「米国がフィリピンによる侵害と挑発をあおり、支援するのは極めて危険で無責任だ」と非難した。

オースティン米国防長官とフィリピンのテオドロ国防相は26日に電話会談した。米国防総省は「国際法が許す限り、安全かつ責任を持って飛行、航行、作戦を行う権利を全ての国が守ることの重要性について話し合った」と発表した。

フィリピンのロムアルデス駐米大使は26日、領有権問題の解決ではなく、緊張緩和のための協議を中国当局者に申し入れたと明らかにし、来月初めに会談が実現することを望んでいると述べた。

「中国が深刻な紛争を望んでいるとは思わないし、われわれもそうだ。それが良い出発点になる」と指摘した。

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