左からアゲインストの風 スライサーが左を向くのは絶対ダメ!【戦略を楽しむ】

左からのアゲンストが吹く打ち下ろしのホールでは、スライサーはティーイングエリアの左サイドに立って、ティに対してスクエアにスタンスして打つ。逆にフッカーはティの右サイドでスクエアにスタンスを取るのがベスト

ティーイングエリアでは、ロケーションや風などに体が反応してスクエアに立つのが難しかったり、肩のラインがズレたりして、ミスショットが出やすくなります。

たとえば、左からアゲインストの風が吹き、右サイドにOBや池などハザードがあると、スライサーは風で球が右へ持って行かれることに“恐怖”を感じるもの。そうすると「できるだけ球を左に打たなきゃ」という心理が働きます。その結果、スタンスが左を向くし、右肩が前に出てアウトサイド・イン軌道が強くなるので、スライスが助長されてしまいます。

これに打ち下ろしの状況が加わると、目線が下がると同時に左肩が落ち、ヘッドが上から入る傾向に。スライス系はもともとスピン量が多めの球質なのに、打ち込むとよりスピン量が増えます。そのように吹け上がる打球は、アゲインストの影響をモロに受けてボールの勢いが弱まり、曲がりも大きくなります。スライサーにとって、悪い条件がそろった状況ですね。

アマチュアの皆さんが、練習場ではキレイなフェードを打っているシーンをよく見ます。それは足元に四角いマットがあるし、ロケーションや風のプレッシャーがないぶん、スクエアにスタンスしやすく、そのうえで安定したアウトサイド・インのスイング軌道が打てているためです。

左からのアゲインストで右にハザード、打ち下ろしの状況でも、目線を下げずにターゲットへ真っすぐにスタンスすれば、いつもの練習場の感覚で狙いを取って打ちやすいはず。

結論として、スライサーはティーイングエリアの左サイドに立ち、コースなりにスクエアにスタンスしたら、あとは“普段着のスイング”(アウトサイド・イン軌道)を心がけましょう。球がやや左に打ち出されて、風とスライス回転で右へ曲がっても、左サイドに立って“余白”を設けているぶん、フェアウェイから外れません。

打ち下ろしは、打球の滞空時間が長くてキャリーが出ます。打ち下ろしとアゲインストで“飛距離の差し引きゼロ”とリラックスして臨めば、大ミスを避けられるのではないでしょうか。

■和田泰朗
わだ・ひろあき/1976年5月10日生まれ、宮城県出身。大学で動作解析や運動生理を学んだ。その後、世界的なゴルフ指導者組織のUSGTFで最高レベルのコーチとなり、のべ3万人を指導した。(株)Seven Brainz所属。

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