「いつもなら突っかからないけど...」湘南の畑大雅が川崎DFのファウルに熱くなった理由「本当に怒りたかったわけではない」

6月26日、湘南ベルマーレはJ1第20節で川崎フロンターレと敵地で対戦し、1-1で引き分けた。

26分、湘南にアクシデントが生じる。左ウイングバックで先発した小野瀬康介が足を抑えて倒れ込み、プレーを続けられない状態に。担架に乗ってピッチをあとにした88番に代わって出場したのは、4日前の前節・FC東京戦で怪我から復帰したばかりの畑大雅だった。

畑は想定よりも早い時間での出場を次のように振り返る。

「時間は本当になかったです(笑)。まさかあの時間から出るとは思っていなかった。怪我で離脱してから長時間プレーするのも初めてだったので、十分にアップをできていない状態で出る怖さもありました」

畑は投入直後こそ味方との連係ミスが見られたが、前半の終盤頃から調子を上げていく。本人は、上手く試合に入るための分岐点となる場面があったと語る。

【動画】川崎×湘南のハイライト
42分、川崎のDFファンウェルメスケルケン際との空中戦のシーンだ。先に飛んだ畑に対して、相手が遅れて飛ぶ。畑はバランスを崩して背中から落ち、際のファウルが取られる。直後、畑が相手に対して強く抗議した。

普段は温厚な印象の畑なだけに、相手選手と激しく言い合う姿には驚きもあった。ただ、本人はこの場面にこそ「狙いがあった」という。

「いつもなら突っかからないけど、今回はあえて行きました。本当に怒りたかったわけではないんです。怪我明けで多少の恐怖心もあったなかで、自分を奮い立たせる必要があった。戦う気持ちを呼び起こすために、申し訳ないけど、あの状況と相手を使わせてもらいました。おかげで、試合には上手く入れたのかなと」

川崎戦で見られた、良い意味で畑らしくない行動。背番号3が珍しく表に出した“熱”は今後、チームにも良い影響をもたらすか。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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