東京・杉並区の母娘死亡事故 過失運転致死の罪に問われた男に禁錮5年求刑 「被告には罪を償ってほしい」遺族が意見陳述

東京・杉並区で去年12月、親子2人を乗用車ではねて死亡させた罪に問われている男の初公判が、きょう、東京地裁で開かれました。男は起訴内容を認め、検察側は禁錮5年を求刑しました。

自動車整備士だった漆原宏太被告(51)は去年12月、杉並区高井戸東で、勤務先の整備工場から乗用車を運転してバックで車道に出る際、歩道を歩いていた母親の杉本千尋さん(43)と娘の凪ちゃん(6)をはねて死亡させた過失運転致死の罪に問われています。

きょう東京地裁で開かれた初公判で、漆原被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。

検察側は事故原因について、「ブレーキペダルを踏み込むべきところを、アクセルペダルを強く踏み込んでいて、過失は極めて重大」と指摘し、「(死亡した)2人は輝かしい未来を奪われた」として、漆原被告に禁錮5年を求刑しました。

一方の弁護側は「結果の重大性を十分認識し、反省している」として、執行猶予付きの判決を求めました。

この日の裁判では、亡くなった親子2人の遺族の意見陳述を代理人が代読し、「2人が作った温かい空気が永遠に失われてしまった」「被告には罪を償ってほしい」としたうえで、「被告を雇っていた会社が保険に入っていなかった。自動車整備会社などへの保険加入を国や自治体は義務付けてほしい」と訴えました。

判決は7月19日に言い渡される予定です。

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