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黒川弘務元東京高検検事長の定年延長に関する文書をめぐり、大阪地方裁判所は国が開示しなかった処分の大部分を取り消すよう命じました。
■定年直前に勤務延長の黒川元検事長 安倍政権に近い存在
黒川元検事長は、それまで検察官には適用されないとされていた国家公務員法による定年の延長が適用できると政府が法律の解釈を変更し、定年直前に勤務が延長されました。
黒川元検事長は安倍晋三元首相など政権に近いと言われていました。
■定年延長に至る経緯 協議の文書開示求めるも国は不開示 取り消し求め提訴
神戸学院大学の上脇博之教授はこの定年延長に至る経緯が異例のものであったことから、法務省での協議などの文書を開示するよう求めましたが、国が「作成していない」などとして不開示を決定したことから、不開示の取り消しを求めて裁判を起こしていました。
■「解釈変更の理由は元検事長の定年延長しかあり得ない」と不開示処分取り消す判決
裁判で国側は、当時は検察官全体の定年延長に関して検討していて、その文書はあるが、黒川元検事長のためのものは存在しないなどと主張していました。
大阪地裁(徳地淳裁判長)は27日の判決で「解釈変更の理由は黒川元検事長の定年延長しかあり得ない」などと指摘。
そのうえで黒川元検事長の定年延長に関する文書はあったとして、不開示とした処分を取り消すよう命じました。
■「どう考えても恣意的にやっている」と教授
判決後の会見で上脇教授は「本来やってはいかん解釈変更。検察官の定年延長をするなら、本来法改正しないといけないんです。解釈で対応、あり得ないことをやった。法学者からすると、どう考えても恣意的にやっていると思うのが当たり前」
「『何のために、こんなことをやったのですか?』と。政府の立場できちんと説明してもらわないといけない。(黒川元検事長が)不公正なことを行ったんではないか、検察の捜査に介入したんじゃないか、そういうふうな疑惑が生まれる」と語りました。
一方、国側は「判決内容を検討し、適切に対処して参りたい」とコメントしています。