ソフトバンク育成5年目の強打者候補を支える小久保裕紀監督の言葉とは 2軍戦で打率3割台 支配下へ成長続ける

ソフトバンク・石塚(右)

ソフトバンクの育成5年目、石塚綜一郎捕手(23)が支配下へ向け、着実に成長を重ねている。ウエスタン・リーグでは、自己最多タイにあと1と迫る24試合に出場し、打率3割1分4厘、3本塁打と好調。「今年は特にやれるだけやろうと練習を重ねている。それを続けていくだけ」と強調する。

黒沢尻工高(岩手)時代に通算39本塁打を放った右の強打者。今季は初めてオープン戦に呼ばれて2試合出場し、安打も放った。

「バッティングだと断トツの数字を残しておけよ」

1軍を後にする際、小久保裕紀監督にあいさつすると、声をかけられた。その言葉が支えになっている。

今季は打撃の調子の波が少なかった。「(対戦投手の球質を再現した打撃マシンの)アイピッチを使って実戦に近い練習をしているからなのかな」と分析する。

捕手登録だが、今季は公式戦での守備は主に左翼で、内野は1度だけ。今季から初めて外野を守っており、一から動きを体で覚えている。27日は、福岡県筑後市のファーム施設で外野の練習をした後、清水将海2軍バッテリーコーチに直訴して、約2カ月ぶりに捕手の練習もした。「(今は試合で守れないけど)捕手ができると武器になる。自分でやるしかない」と語った上で「スローイングが一番よかったかもしれない。外野でのスローイングが生きているのかも」と手応えを口にした。

出場機会があれば、どのポジションでも守る。さらに「チームで飛び抜けた数字を出さないといけない」と自らを鼓舞。「育成でいる限り、危機感は年々増していく」。育成5年目。日々自身と向き合い、〝断トツ〟の数字を残すため成長を続ける。(浜口妙華)

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