伝統を胸に…「強豪・不来方」男女ハンドボール部として臨む最後のインターハイ 学校統合を前に闘志燃やす【岩手発】

2024年の岩手県高校総体で、不来方高校ハンドボール部が男女ともに優勝を果たした。2025年度に盛岡南高校と統合するのを前に、不来方は今の校名で臨む最後のインターハイに向け闘志を燃やしている。

高さを生かした攻撃力で全国へ

不来方高校ハンドボール部は、2024年の県高総体で男女ともに優勝を果たしインターハイ出場を決めた。日々同じコートを共有して練習に励むことで、互いに実力を高め合っている。

不来方 男子ハンドボール部・八島依央主将(3年)は「盛り上げてやっているのを見たり聞いたりしていると、自分たちもやる気が上がっていい刺激をもらっている」と語った。

また、女子ハンドボール部・小野寺一花主将(3年)も「シュートの音とか聞こえてきて『頑張っているな』って。『自分たちも頑張ろう』と思う。そういうところが刺激になる」と語った。

26大会連続28回目のインターハイ出場を決めた男子。
2024年のチームは主力の平均身長が約180cmあり、高さを生かした攻撃力で全国へ挑む。

そのチーム中で攻撃の軸となるのがレフトバックの沖啓成選手(3年)。19歳以下の日本代表で186cmの長身から角度のあるシュートをたたき込むポイントゲッターだ。

沖選手は「苦しい状況になったとき流れを引き寄せるプレーをして、少しでもチームに貢献したい」と意気込みを語った。

そしてチーム1のフィジカルの強さを持つ、ピボットの村田大希選手(3年)も19歳以下の日本代表で、鉄壁のディフェンスとダイナミックなシュートが魅力だ。「ディフェンスが得意なのでそこから速攻につなげられるように、そこでチームに貢献したい」と意欲を見せている。

「声でチームを鼓舞したい」

一方、インターハイに出場するのは9大会連続19回目の女子。
「スピード&コンビネーション」をテーマに掲げ、チームはディフェンスから素早くオフェンスへと切り替える速攻を得意としている。

チームのエースはライトバックの村松未来選手(3年)。18歳以下の日本代表で、左右のどちらからでもシュートを打てる両利きが武器の村松選手は「左手でフェイントをかけて右手で打つようなシュートを狙っていきたい」と語った。

そして、チームをまとめるのはレフトウイングの小野寺一花主将。
仲間に愛され、信頼を集める人柄を同級生たちは「一生懸命で素直な人(馬内凜心選手 3年)」「芯が通った人(川村実咲貴選手 3年)」「真面目にハンドボールに向き合っている人(及川愛花選手 3年)」と語る。

誰よりも声を出し、献身的にプレーをするその姿勢で27人の部員をけん引している。

小野寺主将は「声でチームを鼓舞しようと思っていて、チームの流れが悪いときに声を上げていい流れになればいいなと思っていつもプレーしている」と思いを語った。

伝統を次の世代へ…

不来方高校は2025年度に盛岡南高校と統合することが決まっている。最終年度となる2024年度、選手たちはより真剣にハンドボールと向き合っている。

歴史を振り返ると1988年の開校以来、男子はインターハイで4回のベスト4入り、2013年には全国選抜大会で初優勝を果たしている。そして、女子もインターハイで2度のベスト4入り、全国選抜大会でもベスト4入りの実績があり、不来方は男女ともに輝かしい実績を誇ってきた。

先輩たちが築き上げてきた「強豪・不来方」の名前で出場する最後のインターハイ。
その伝統を力に変えて臨む。

男子ハンドボール部・八島主将は「最後だからこそ伝統を次の世代につなげて、結果を残せたらいいかなと思う」と“不来方”としての最後の試合に向けた決意を語った。

また、女子ハンドボール部・小野寺主将も「最後の世代でいろんな思いを背負っているわけで、プレッシャーを感じると思うけど自分たちらしくプレーしていきたい」と伝統を胸に、本番への意気込みを語った。

男女ともに練習用のユニフォームへ込めた言葉は「The last」。
不来方高校ハンドボール部の歴史を全国で見せつけるため闘志を燃やしている。

(岩手めんこいテレビ)

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