警察が17匹保護「生かすと経費が」繁殖能力ない犬ビニールに入れ殺したか…元ブリーダーの男逮捕 「責任取るつもりで殺した」

埼玉県内でブリーダーをしていた男が、繁殖能力がないと判断した犬を袋で密封し、殺した疑いで逮捕されました。

動物愛護法違反の疑いで27日に逮捕された渡部幸雄容疑者(81)。
5月に埼玉・毛呂山町にある渡部容疑者の自宅で家宅捜索が行われました。

きっかけは2023年8月に関係者からもたらされた、「経営者が繁殖能力がないと判断した犬に餌を与えず衰弱死させたり、かごに入れたまま密封して殺している」という情報提供でした。

家宅捜索では、3匹の犬がかごの中で死んでいるのが見つかりました。

犬はポメラニアンやトイプードルなどで、袋などで密封したかごの中に閉じ込め、窒息死させた疑いがあるとみられています。

家宅捜索では、捜査員との間で次のようなやり取りがありました。

捜査員:
世間とずれちゃってる感じがしますね。保健所の人とかにどうやってるか、処分してるかって聞かれて、このやり方は言わないでしょ。

渡部容疑者:
あんまり聞く必要もないから、向こう(保健所)も。

捜査員:
聞かれたことは?

渡部容疑者:
ないないない。

捜査員:
餌代とかゴミの処分代とか含めて?

渡部容疑者:
そんなもん、15万から30万(円)はかかる。

捜査員:
売り上げがね?

渡部容疑者:
ないとやっていけない。

子犬をオークション会場で販売するなどして、2022年は約2700万円の売り上げがあったという渡部容疑者。
逮捕前の任意の調べには、「繁殖に使えなくなった犬を生かしておくと経費がかかる」「行き場のなくなった犬の責任を取るつもりで殺した」などと話していたということです。

渡部容疑者の飼育場では、繁殖用の犬と販売前の子犬など約180匹が飼われていて、警察は、健康状態が悪い17匹を保護しました。

家宅捜索のあと廃業届を提出し、警察が保護した犬の飼育も放棄したということです。

そして27日、犬3匹を窒息死させた疑いで逮捕された渡部容疑者。

警察の調べに、「1匹は生きているうちに閉じ込めたが、2匹はもう死んでいた」と話し、容疑の一部を否認しているということです。

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