「信号によく引っかかる」は偶然じゃない?スムーズに運転できる“青信号の流れ”に乗るための注意点

車に乗っているときに、こう思った経験はありませんか?

(きょうは、よく赤信号に引っかかるな…)

これって偶然?実は、必然かもしれません!普段、車を運転するときに信号への疑問を抱いていた記者が調査しました。

信号機を司る警察に聞いてみた

やってきたのは熊本県警本部にある「交通管制センター」。信号機に取り付けられた車両感知器などを使って、車の台数や速度などの交通状況をリアルタイムに確認しています。そして、県内の信号機を司る中枢でもあります。

そもそも、県内2800機の信号機をどのように制御しているのでしょうか?

熊本県警本部交通規制課 課長補佐 上原貴智 警部「約3分の1が、車両感知器等をもとにした『集中制御』という遠隔制御を行っています」

「面的な制御」で渋滞抑制

県内の信号機のうち3分の2は、単独で動いていますが、残りの3分の1は、隣接する交差点同士で連動しながら動いています。

記者「こちらの交差点では今、隣接する信号機が同じタイミングで『赤』に変わりました」

例えば、熊本市を通る国道3号では「水道町交差点」から北に向かう「必由館高校入口交差点」までの信号機が連動しています。

一方、南は「水道町交差点」から「銀座通りとの交差点」までの信号機が連動しています。

上原警部「面的な制御を行うことによって車両を円滑に流して、渋滞がより少ないような形で、制御できるような運用を行っています」

では、その運用方法とは。

上原警部「できる限り青で発進した場合はその先の信号を青で抜けられるよう、信号を停止する回数が少なくて済む制御を行っています」

実は、先ほどの集中制御のグループを中心に「青信号のサイクル」が意図的に作られているのです。

50キロ内で走行してみると…

たとえば、車が安全な速度で青信号の交差点を通過すると、そのあとも同じ速度で走れば、続く交差点も青信号になります。

記者「制限速度の50キロ内で運転していると、青信号ですべてスムーズに進むことができます」

スピードを保って国道3号の「水道町交差点」から北に向かい「必由館高校入口交差点」まで運転すると、約1.7キロを赤信号で止まることなく走行できました。

しかし、この青信号のサイクルは時速50キロ程度に合わせて設定されていて、信号に引っかからないようスピードを上げたり、逆に遅すぎたりすると、この「青信号のサイクル」からずれ、信号に引っかかりやすくなります。

上原警部「通常の速度で進行していれば青でそのまま通過できるはずの信号機で、
速度がいつもより遅いと、余計にいつもより信号に引っかかって、流れが悪いなと感じる」

つまり、「よく赤信号に引っかかる…」という現象は、交通の流れをスムーズにするために作られた「青信号のサイクル」と「車の速度」が合っていなかったために生じることが多いということでした。

一方、幹線道路などの信号機には、渋滞が発生しているときや、バスや市電、緊急車両が通るときに、自動で信号の時間を数秒単位で調節するものもあります。

信号の引っかかりやすさは、こうしたリアルタイムの交通状況にも左右されるということです。

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