フィリピン中銀、予想通り金利据え置き 8月に利下げの公算

Neil Jerome Morales Mikhail Flores

[マニラ 27日 ロイター] - フィリピン中央銀行は27日、政策金利の翌日物リバースレポ金利を6会合連続で据え置いた。コメの関税引き下げでインフレ率が鈍化するとして、8月の次回会合で0.25%ポイントの利下げを行う可能性が高いと予想した。

利下げすれば2020年11月以来となる。

レモロナ総裁は記者会見で、コメの関税を28年までに35%から15%に引き下げる政府の決定が施行されるため、今年後半に物価圧力がさらに緩和するとの見方を示した。

「インフレ見通しの改善が持続すれば、金融政策のスタンスを緩和することを検討する余地が広がるだろう」と述べた。

第4・四半期にも追加で0.25ポイントの利下げが行われる可能性があると指摘した。

HSBCは「米連邦準備理事会(FRB)より先に利下げするというトリッキーな試みは精密さと幸運を必要とする」とし「ペソの過度なボラティリティーにつながらないようにするにはタイミングが重要だ」と述べた。HSBCは利下げ開始時期を第4・四半期と予想している。

5月のインフレ率は前年同月比3.9%と4カ月連続で伸びが拡大した。だが5カ月間の平均では3.5%と、中銀が目標とする2─4%の範囲内に収まっている。

レモロナ氏は今年と来年のインフレリスクのバランスは「下方にシフト」したが、コメ、輸送、電気料金の上昇による上昇圧力は残っていると述べた。

中銀は今年のインフレ率予想を従来の3.5%から3.3%に、来年は3.3%から3.1%にそれぞれ引き下げた。

同国のパンガンダーマン予算管理相は会見で、政府が今年と来年の国内総生産(GDP)伸び率目標をそれぞれ6.0─7.0%、6.5─7.5%で据え置いたことを明らかにした。

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