バスが来ないバス停の“優しい嘘” 認知症患者を安心させるべく奮闘「認知症を知っていただきたい」【アスヨク!】

愛知県豊橋市のとある場所。

「のりば」と書かれた看板に、時刻表、立派な待合室まで完備されたバス停だが、“普通のバス停”とはちょっと違う。それはこのバス停が、“バスが来ないバス停”だからだ。

このバス停を設置したのは、杉野友香(すぎの・ともか)さん。

実はこの“バスが来ないバス停”こそ認知症患者の方に優しい代物だ。

杉野友香さん:
認知症の方って徘徊するじゃないですか、“バスが来るよ” “行きたいところに行けるよ”と優しい嘘をつく。認知症の方は“そうか、家族の元に行けるんだね” ということでバスを待つ。

このバス停で待つことで、遠くへ徘徊する事を防ぐ効果があるという。

さらに、運営しているNPO法人ぽかぽかの森アンキカフェでは、認知症の予防活動にも力を入れている杉野さん。超高齢化社会を見据え、様々な手法で認知症への関心を高める活動を続けている。

杉野友香さん:
認知症は本当にこれから増えていくと思うんです。当然私たちもそうなんですけど、(認知症に)なり得る可能性はある。

自動車教習所の指導員として約30年間勤務した杉野さん。お父さんの事故をきっかけに、介護の勉強を始め、認知症の実情を目の当たりにした。

“バスが来ないバス停”を通して、杉野さんが伝えたい思いとは。

杉野友香さん:
これからの未来って、子ども達が(高齢者を)支えていくと思うんです。(“バスが来ないバス停”を)置くことによって、認知症を皆さんに知っていただきたい。

バスの来ないバス停。“優しい嘘”から認知症を知ってもらうきっかけにもしたいと奮闘する杉野さんの活動はあすもつづく。
(「イット!」6月26日放送より)

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