鹿児島最高層ビル26階100m 加治屋町再開発 歩いて楽しむ街へ 地元や専門家の受け止めは?

こちらは鹿児島市加治屋町で計画されている再開発の完成イメージ図です。26階建てで高さは100メートル。商業施設やマンションが入る予定です。
事業者の一つ、JR九州も27日の会見で、にぎわい創出に意欲をみせました。

開放感のあるガラス張りに、高くそびえる洗練された建物。電車通り沿いの加治屋町1番街区の再開発の事業主は、JR九州などの地権者で構成される再開発準備組合です。

およそ5600平方メートルの敷地に、地上26階の複合施設が計画されていて、1階と2階には商業施設、3階以上はおよそ420戸のマンションになる予定です。高さおよそ100メートルで、県内で一番高い鹿児島中央駅前の鹿児島中央タワーと同程度の高さになる見込みです。(※今後、変更の可能性あり)

市は基本設計費用などにおよそ8000万円の補助を出し、組合を支援しています。

(鹿児島市市街地まちづくり推進課 木ノ上克明課長)「これまでLi-Kaやセンテラスなど市街地再開発の実績含め、街が変わる。まちづくり方針に沿った形でこの計画がつくられると、より良い市民サービスの向上につながる事業になる」

(記者)「鹿児島中央駅と天文館をつなぐ加治屋町。人通りも多いこの場所に、県内一の高さに並ぶ複合ビルが建設予定です」

コンセプトは「歩いて楽しめるまちづくりの推進」。鹿児島中央駅と天文館地区をつなぐ中継基地として、新たなにぎわいが期待されています。

(30代・鹿児島市)「小物買ったりするときに施設があると戻らなくて済む。急がなくてすむ。ありがたい、ビジネスする側として」

(70代・鹿児島市)「通りが通りだから。天文館とかアミュの方が主じゃないかなと思う」

(パソコン教室経営)「私は(加治屋町に)残ろうかなと思っている。中央駅と天文館の間にあって、仕事帰りにパソコンを習いに来る人がいる。場所もいい。再開発、新しい方向に進んでいくのでそれはそれでいい」

(加治屋町町内会長・西村光行さん)「(以前は)お茶屋さん、本屋さん、黒板屋さんがあり、にぎわっていた。時代の流れ、そうせざるを得ない流れ。2015~6年まで電気屋もあって、人の往来もあった」

加治屋町に70年以上暮らす西村光行さんです。慣れ親しんだ風景は変わりますが、街がにぎやかになることに期待を寄せています。

(加治屋町町内会長・西村光行さん)「前へ前へといい方向に進むのであればいい。住民と新しく入る人の交流が広がればいい」

完成は6年後の2030年の予定で、この場所で事業を営む人からは「場所が気に入って決めた店舗。簡単に移転ができるわけではないので不安」「この店が最後と思ってやってきた。閉めるしかないと思う」といった声も聞かれました。

地権者でもあるJR九州の古宮社長は…。

(JR九州 古宮洋二社長)「天文館エリアと鹿児島中央駅とを結ぶ大切なところ。私も鹿児島に行ったら歩いて通る。地元の人たちにも利用いただけるような建物がいいと思っている」

一方、都市開発の専門家は…。

(鹿児島大学工学部建築学科 小山雄資准教授)「場所としては中央駅と天文館、本港区をつなぐ軸線上にあるので重要な場所」

鹿児島大学の小山雄資准教授によりますと、今の建物は1960年代に地権者らが共同で建て替えたもので、鉄筋コンクリート造り。1階と2階は商業施設、3階と4階は主に住居として使っていますが、老朽化が進み、今回が2度目の再開発です。

小山准教授は、観光客が“鹿児島らしさ”を感じられる施設が建つことを期待しています。

(鹿児島大学工学部建築学科 小山雄資准教授)「若い世代が何か新しいことを始めたり、(地元で)活動している人たちの姿が見える店舗や事業所が入ってくると、県外客は『鹿児島ってこういう場所なんだ』と、そこを通ることで感じられる場所だといい」

市によりますと、2027年度に今ある建物の解体と再開発ビルを着工し、2030年に完成を目指すとしています。



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