【データで紐解くMLB⑤】彼らのもとに打球が飛んだら見逃してはいけない3秒間

ピッチングやバッティングを解析する様々なデータによって、数値化されるMLB。広い範囲をカバーする外野手の守備も数値によってその能力が見えてくる。ピッチャーのリリースから3秒間が勝負となる外野守備で、最強の選手は誰なのか。

今回の「データで紐解くMLB」は外野守備。ピッチャーの投球リリースから3秒間で、捕球確率が90%以下の難しい打球に対して最も反応が早かったアクション、3部門のトップ3を紹介する。

まずは最初の1.5秒間で、一歩目のステップを測った「リアクション」。

Reaction TOP5(距離、フィート)
➀ジェイコブ・ヤング(ナショナルズ) 4.3
②ジャレン・デュラン(レッドソックス) 2.0
③ライリー・グリーン(タイガース) 2.0

メジャー2年目のヤングはリーグ4位の18盗塁を決めるなど、俊足が武器。守備にも生かされており、好守を連発している。

次に、1.6秒から3秒で、あらゆる方向をカバーするための加速度を測定したのが「バースト」だ。

バースト TOP5(距離、フィート)
➀ピート・クロウ=アームストロング(カブス) 2.6
②ホセ・シリ(レイズ) 2.4
③マイケル・シアーニ(カージナルス) 2.0

クロウ=アームストロングもメジャー2年目の期待の新星。オールスターのフューチャーズ・ゲームには2022年から2年連続で選出されており、昨季はメジャーで14打数無安打も、今季は117打数24安打、三塁打を3本放つなど、課題の打撃も向上している。

そして最後に、3秒間で捕球に向かう足の動きと、正しい方向にカバーできていたかを比較する「ルート」。

Route TOP5(距離、フィート)
➀アンソニー・サンタンデール(オリオールズ) 0.9
②ブレントン・ドイル(ロッキーズ) 0.8
③ジョー・アデル(エンゼルス) 0.6

好調オリオールズを打撃だけでなく守備でも支えているサンタンデール。メジャー8年目だが、年々長打力も向上し、今季もすでにリーグ3位の本塁打(21)をマークしている。

そして、ここまでの3つの数値を合計し、3秒間で平均何フィートをカバーしたかを示すのが「平均フィート」だ。

Feet vs Avg TOP5
➀ドールトン・バーショ(ブルージェイズ) 3.6
②ホセ・シリ(レイズ) 3.5
③マイケル・シアーニ(カージナルス) 3.4

2022年までは捕手も兼任していた異色の外野手であるバーショ。今季はセンターとレフトのどちらかでプレーしているが、データで紐解くと、彼の守備の上手さが際立つ数値が出ている。

彼らの優れた守備力を知っていると、打球の方向によって楽しみも増えてくる。外野手が勝負をかける3秒間、その刹那の瞬間にも注目だ。

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