グルメで小泉八雲の世界を堪能!「怪談」出版120年記念に和菓子で表現 茶の湯の文化と融合(島根)

小泉八雲の代表作「怪談」の出版から2024年で120年になるのを記念した「怪談グルメ」が、松江市に誕生しました。一足早く、グルメで八雲の世界を感じてきました。

頭にはかわいい花形のお皿、妖怪・河童をモチーフにした「かっぱふぇ」!そして「雪女」の情景をイメージした和菓子のプレートも。松江市で27日にお披露目された「怪談グルメ」です。
小泉八雲の代表作「怪談」が出版されて120年になるのを記念して誕生しました。

このユニークなグルメ、発案したのは大手グルメサイト「ぐるなび」の運営会社の社員で、「地域活性化企業人」として松江市に派遣されている寺島奈実さんです。
2年前から、松江ならではの特色を生かした新商品の開発などに取り組んでいます。

ぐるなび・地域活性化企業人 寺島奈実さん:
中心市街地に人を集める仕組み作りが必要だと考え、小泉八雲の節目の年だったので、アニバーサリーイヤーをお祝いする形で商品作りをしたら松江市の方や観光客の方に来てもらえるのではと思った。

「怪談」出版120周年というまたとないチャンスに、寺島さんが思いついたのはもう一つの松江の文化、街に根付いた茶の湯の文化との組み合わせでした。2024年4月に、市内の2つの老舗和菓子店に新商品の開発を依頼。でき上がったのが河童と雪女、2つの怪談グルメでした。

嶋村采音アナウンサー:
「かっぱふぇ」は、キョロんとした目が特徴的ですが、実はようかんで出来ているんです。

妖怪らしからぬユーモラスな河童の表情「かっぱふぇ」を考案したのは、「風流堂」の野村奈央さん。菓子職人になって3年目の若手です。

風流堂・野村奈央さん:
かわいい顔を作れたらと思って工夫しました。小泉八雲や茶の湯の文化を身近に感じてもらいたいです。

頭のお皿はもち米せんべい、くちばしには練り切り。若い世代にも和菓子に興味を持ってもらえるようにと、見た目のかわいさにもこだわりました。

雪女のプレートを手掛けたのは彩雲堂の職人、大江克之さんで、この道45年のベテランです。

松江市・上定市長:
本当に芸術作品だ~。

雪女が小屋へ行き、氷の息を吹きかける場面がモチーフです。白装束の雪女の後ろ姿を求肥で表現。レモン入りのバニラアイスが包み込まれています。闇夜に浮かぶ月はようかん、氷が張った湖を琥珀かんで表わし、プレートの上に寒さや怖さが醸し出されています。

小泉八雲記念館・小泉凡館長:
八雲記念館では、怪談を読むことの楽しさを感じられますが、今回これで怪談を食べることが出来て、楽しみが大きく膨らみました。

松江市・上定市長:
それぞれ職人さんが一流のものを作っていただきました。食べ歩き、街歩きのきっかけになればと思います。

怪談と和菓子、異文化コラボで松江の新たな魅力に触れることができそうです。
この「怪談グルメ」、カッパフェは28日から、雪女プレートは7月1日から販売されます。

© 山陰中央テレビ