熊本県で“線状降水帯”が発生する可能性も 6月27日夜から28日午前にかけて災害発生に厳重な警戒を

活発な梅雨前線の影響で、熊本地方気象台は6月27日夜から28日午前中にかけて、熊本県に線状降水帯が発生する可能性があるとして、厳重な警戒を呼びかけている。九州北部豪雨や2020年の7月豪雨など、過去にはこの線状降水帯が原因となった多くの災害が発生している。

“線状降水帯の半日前予測”を発表

九州北部地方にある梅雨前線が6月27日夜には対馬海峡付近まで北上し、前線上の低気圧が28日にかけて東に進むと予想されている。前線や低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、熊本県内は大気の状態が非常に不安定になっている。

熊本地方気象台の吉崎和久観測予報管理官は「27日夜から28日午前中にかけて線状降水帯が発生して、大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があります」と警戒を呼びかけた。

熊本地方気象台は27日昼前に、熊本県など九州北部6県を対象に、いわゆる“線状降水帯の半日前予測”を発表。27日夜から28日午前中にかけて、線状降水帯が発生して災害発生の危険度が急激に高まる可能性があるとして、厳重な警戒を呼びかけている。

予想される雨の量はいずれも多い所で、27日夜は1時間に50ミリ、28日は1時間に70ミリ、28日夕方までの24時間に250ミリで、線状降水帯が発生した場合は、雨量がさらに増える可能性があるとしている。土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒が必要だ。

熊本地方気象台 空振りを恐れず早めの避難を

線状降水帯とは、発達した積乱雲が次々と連なり、同じ場所で非常に激しい雨が降り続くもので、2012年の九州北部豪雨や2020年の7月豪雨など多くの犠牲者を出した災害の原因となった現象だ。熊本県内では2023年の梅雨時期にも線状降水帯が2度発生し、益城町では車が冠水するなどの被害が出た。

線状降水帯がかかると災害発生の危険度が急激に高まり「逃げたくても逃げられない状況」に陥ることが予想される。防災システム研究所の山村武彦所長は「例えば夜間とかですね、道路が冠水した状態で避難するのは大変危険。ましてや車で避難するのは非常に危険。立ち往生したり車自身が浮いてしまったりする可能性もありますので、徒歩で避難するには早い段階で避難することが大事」と早めの避難を呼びかけた。

熊本地方気象台も、空振りを恐れず早めの避難を呼びかけている。

28日にかけて最大級の警戒が必要

27日夜から28日にかけて活発な雨雲が次々と熊本県内に流れ込む予想だ。特に28日の朝6時の段階では、雨雲の帯が東シナ海から熊本県の北部を通って瀬戸内海まで達する予想となっている。

また、1時間に50ミリを超える非常に激しい雨、これは傘は全く役に立たない滝のような雨と言われているが、これが27日夜遅くから28日の昼前にかけて続くと予想されている。激しい雨の恐れがなくなるのは、28日の夕方以降とみられている。

避難情報も出ているので、28日にかけて最大級の警戒が必要だ。

(テレビ熊本)

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