今年の梅雨は短期集中型 気をつけるべきポイントを気象予報士が解説〈宮城〉

仙台管区気象台は23日、宮城を含む東北南部が「梅雨入りしたとみられる」と発表した。今年は梅雨前線の北上が遅れていて、平年より11日遅く、去年より14日遅い梅雨入りとなった。平野貴久気象予報士に注意点を解説してもらった。

今年は短期集中型の見込み

最新の1カ月予報(6月22日~7月21日)によると、太平洋高気圧は平年と比べると西への張り出しを強める予想で、高気圧の縁を回って、雨雲のもとになる暖かく湿った空気が流れ込みやすくなる見込み。

平野気象予報士「東北地方は日本海側を中心に雨量が多くなる予想で、宮城県など太平洋側でも雨量がやや多くなりそうです。また、今後は梅雨前線の北上するペースが早まり、早い段階から東北地方に前線が停滞しやすくなる見込みです。湿った空気が流れ込みやすいことで、雨が降る時には強い雨が降りやすくなる可能性があり、気圧配置次第では大雨になるおそれもあります。今年の梅雨は短期集中型、強く降る雨に注意が必要と言えそうです」

ハザードマップや「キキクル」活用を

大雨に備えて、まずは自治体が出しているハザードマップで自宅周辺が危険なエリアに指定されていないかを確認しておくことが大切だ。土砂災害警戒区域や浸水想定区域に指定されている場合は、大雨によって災害が発生するおそれがある。そのような地域に住んでいる人は、自治体から避難情報が出た場合、そのエリアの外に避難する必要がある。平野気象予報士は「情報が出る前に、どこへ避難するべきなのか、避難ルートも含めて確認しておいてほしい」と呼びかける。

また、大雨時には気象庁の「キキクル」(危険度分布)というツールも有効だ。今いる場所が、どれくらい危険な状況になっているのかを5段階で色分けして表示する。赤は高齢者が避難する目安、そして紫までに全員避難というのが原則。自発的に情報を入手することで、避難行動に役立つことが期待されている。

晴れ間は非常に暑く…例年以上に注意

平野気象予報士によれば、この先も気温は高い予想で、梅雨の晴れ間は非常に暑くなりそうだという。湿気も多く、かなり蒸し暑くなることが予想されている。本格的な夏の前は、まだ体が暑さに対応しきれず、熱中症のリスクが高くなるため、特に注意が必要だ。

環境省は熱中症予防のための「暑さ指数」を毎日ホームページで公開している。暑さ指数は気温のほかに、湿度と輻射熱(日差しを浴びた時に受ける熱や、地面、建物などから出る熱)を取り入れた、熱中症の危険度を示す指標。気温だけを見るよりも、的確に熱中症の危険度を表すことができるとされている。こうした指標も活用しながら、熱中症にならないよう十分な対策をとるようにしたい。

大雨や猛暑に注意が必要だという今年の梅雨。被害を少なくするためには事前に備えておくことが大切だ。

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