【インタビュー】たどり着いた“lynch.らしさ”

lynch.が6月26日に、最新作『FIERCE-EP』をリリースした。

2023年3月にリリースしたアルバム『REBORN』では、初めて作曲をするメンバーを含め各自2曲ずつを持ち寄って制作するという新たな試みを行ったlynch.。それを経て今回リリースされる本作は、“激しい”“獰猛”といった意味を持つ語をタイトルに冠し、その名の通りlynch.の持つ激しさを打ち出したEPとなった。

BARKSではリリースに寄せてメンバー全員にインタビューを実施。この2作の流れを中心に、いまのlynch.の制作スタンスを探った。そこにあったのは、揺るがないlynch.としての自信だった。

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◼︎コンパクトで、激しいもの。そういうシンプルなテーマでした

──さかのぼった話になりますが、2022年にlynch.としての活動を一時休止して、その時期にソロや別プロジェクトなど、メンバーそれぞれの活動をスタートさせました。その後、lynch.として活動を再開させ、2023年には約3年ぶりのアルバム『REBORN』を発表しています。以前は作詞も作曲も葉月さんがメインで作っていましたが、『REBORN』では各メンバー2曲ずつ作曲するという新たな試みもしました。時間が経った今、『REBORN』の仕上がりをどう捉えていますか?

明徳(B):新しい試みである反面、反省点がとても多かったんです。でも『REBORN』がなかったら次に行けなかったと考えれば、もちろん大きな意味はあった。ただ、個人的にはもうちょっとやれたなって気持ちがずっとあって。

──曲の煮詰め方が物足りなかった?

明徳:煮詰め方というか、作曲のもっと基本的なことですね。それで猛省して、次の曲を作り出したって感じです。

玲央(G):確か『REBORN』のときに、ある意味lynch.にとって1stアルバムみたいになるって話をしたんですよ。でも明徳が言わんとしていることもすごい分かる。もっとできたんじゃないか、と。ただ、新しいやり方を模索していくことが、すごく大事な時期でもあったんです。あのタイミングで、ああいった試みの作品を作って良かったと考えています。

▲明徳(B)
──シリアスなことを言えば、2022年あたりはバンドとして、相当、もがいていただろうと思われます。

玲央:模索していた時期でした。今後の自分たちを活かしていくために、どの手法をとったら一番いいんだろうと。頭の中でいろいろ考えても、結局、蓋を開けてみなければ分からないことだらけ。それがバンドというものだと思うんですよ。それで各々が監修した楽曲を入れた作品という、lynch.にとって大実験をしてみたんです。結果、こういった面は良かった、でもここは今度はこうしていこうかなど、ある意味、指針にもなりました。lynch.にとって新たなスタート地点という感じになったかなと思うんです。

──個人的な感想を言うと、演奏しているのは間違いなくlynch.の5人ではあるけど、各曲の方向性や色合いの違いがありすぎて、オムニバス・アルバムを聴いている感覚でした。

玲央:うん、その通りだと思います。

悠介(G):個人的な制作レベルは上がったかなってのはあって。シンセをより使ったソングライティングが、自分の中ではでかかったです。それまではギターだけでなんとかしようとしていた部分を、最初からシンセを使って、ギターでは出せない音で曲を作っていったんです。しかも楽しみながらやっていたんで。バンドを一度止めて、別の音楽活動をやっていったとき、シンセを使う機会も多かったんです。そのやり方をlynch.に落とし込んでみたらどうなるんだろうって。あと以前から自分が好きな洋楽の要素をlynch.に落とし込めないかなって考えも、ずっとあって。それをようやく『REBORN』のときに形にできたんです。いろんな意味でモヤモヤしていたものが、『REBORN』を作ったことでうまくはがれた感じで。

──突破口を切り開くことができたわけですか?

悠介:個人的にはそうですね。

晁直(Dr):いや〜、逆に俺はすごく猛省しなきゃいけない(笑)。作曲に関しては素人だったので。今でも素人に変わりないけど、作曲は経験を積まないと成長できないところもあると思うし。未だになにかを狙って曲を作るなんて無理ですけど、地道にやっていくしかないなって、あのときから今も変わらず思ってます。『REBORN』のときも、結局は葉月くんにアレンジを手伝ってもらったりしたんです。無事に完成させられて、ホッとしたっていう感じでしたね。

▲悠介(G)
──「THE FORBIDDEN DOOR」と「ANGEL DUST」は、ファンに好評だったじゃないですか。手ごたえは?

晁直:ないっす、ないっす(笑)。

──いろんな感想が出ましたが、もともとメンバーそれぞれ作曲してみようというのは、葉月さんが提案したんですよね?

玲央:葉月の提案という感じでもなく、みんなで決めたような気がする。

葉月(Vo):僕が提案したかは覚えてないんですけど、アルバムを作るならそういうやり方しかないよね、という感じでした。精一杯だったんですよ、当時の自分は。フルサイズのアルバムを作れるほどの曲数を、あの時期の自分は持っていけない状態だったし。でもレコード会社に所属している以上は、出さなきゃいけないタイミングというのがある程度決まっていて。アルバムを出すなら、今はみんなで曲を持ち寄るしか方法がないって。

──ソングライターとして煮詰まりを感じていた頃、ということですか?

葉月:いや、もう煮詰まり切った後の時期ですね、2022年は。しんどいなと思っていたのは、2020年のアルバム『ULTIMA』の時期。その頃が一番苦しんでいて、みんなに「ちょっともう厳しいんだよね」という話をしたのが、2020年10月ぐらい。それでいろいろ話し合って、2021年の活動をもってlynch.を休止して。活動を再開した2022年9月には、問題は解決していたはずなんですけど、フルサイズのアルバムを作れるほどのアイデアは自分には貯まっていなかったし。それでみんなで曲を作ろうかってことになったのが『REBORN』。ただ、言われたように、オムニバスアルバムのように感じてしまったりとか、いろんな感想があると思うんですけど、あのときはもうあれがベストなので。

──でもメンバーそれぞれが作曲と、その曲のプロデュースも担当しながら形にしていったから、身になることも多かったのでは。

葉月:今回の『FIERCE-EP』を作るにあたって、それぞれに曲出しをしてもらったんですけど、デモのクオリティが上がってましたからね。やっぱ、やってみるのは大切なんだなと。

玲央:どういったことが大変なことで、どれぐらい時間が掛かるかってことを、『REBORN』の制作を通して、身をもって経験しましたから。僕も含めて、みんなの意識は変わったと思いますよ。

▲葉月(Vo)
──2022年の活動再開、そして新たなスタートと言うべき2023年の『REBORN』があって、意識が変わった今があると。一方でみなさんはlynch.以外の活動も精力的に続けていますよね。lynch.以外の表現の場があるという捉え方もできますが、どういったマインドで続けているんですか?

葉月:それぞれ違うと思いますけどね。僕は意識的に切り替えなきゃって感じでもないんです。プレイする楽曲がけっこう違うので。もっと言えば、ソロはなんにも考えてない。lynch.では、今まで作り上げてきたイメージも大事にしていきたいんですよ。ぶっ壊して新たな挑戦みたいなものは、昔からlynch.に関しては求めていないっていうか。ソロに関しては思いついたことを全部やるっていう。だからスタンスから違うんです。

玲央:僕は完全にチャンネルを切り替えています。keinというバンドでもリーダーをやらせてもらってるんですけど、メンバーのタイプがlynch.とは全然違うんですよ。僕自身が「えっ、なんで!?」って思うことが多くて。lynch.での常識が、keinでは通じなかったりもするんですよ(笑)。これはいいとか悪いとかではなく、ね。まるで海外の方と接しているような、それぐらいの衝撃なんですよ。感性がこんなにも違うのかと。あとステージでの立ち位置も違うんです。keinでは僕は下手(しもて)なんで、悠介はいつもこういうふうに見えていたんだって分かったり。それに使うギターも、lynch.で使っているものを敢えて封印して、keinではごく一般的なスケールのストラトを使っているんです。lynch.では弾かないようなフレーズをプレイしているんで。だからkeinでは別人格にならざるを得ない(笑)。自分にとってlynch.以外の活動は、挑戦という意識が強いかもしれないです。

晁直:僕はサポートドラマーとしてdeadmanもやっていますけど、バンドが違うから曲も違うし、曲のスタイルも真逆で。そのへんは自分なりに考えてやってますけど。レコーディングのプロセスも真逆すぎて、気を使わないでいられるというか。lynch.はガッチリ固めてからレコーディングに臨むんですけど、サポートのほうはものすごいおおざっぱで(笑)。レコーディングで曲の尺を間違えても、「うん、それでいいよ。俺たちが合わせるから」って言われて。作曲ではパソコンを一切使わず、みんなでスタジオに集まってやるっていう。昔ながらのやり方で新鮮だったですけどね。

▲晁直(Dr)
──あと悠介さんは健康というプロジェクトをやったり、明徳さんはVIVACEというバンドや他にもサポートなどもやっています。いろいろやってみて、だからこそlynch.のおもしろさを再確認することも多いですか?

玲央:良さっていうのがよく分かります。ここは大事にしたいなとか、他にはないなとか。そういうことを思うときが多いですよ。基本的にlynch.のメンバーは真面目なんで、制作をするとなったとき、ちゃんと構築したものをそれぞれが持ち寄る感じ。その中ですり合わせして、さらに構築していくという。更地でここをどうしようかねってことが、まずない。みんな責任を持って期日までに仕上げてくるというのは、lynch.らしいなって。勤勉なんですかね、lynch.のメンバーは。

──勤勉で完璧主義なのは悪いことではないんですけど、歯車でいう“遊び”みたいなものはそこにあります?

玲央:僕からの視点になるんですけど、できるから遊べる──というのを最近の葉月からとくに感じる。できない人間は常にあっぷあっぷで、遊びすら見つけられない。ライブ中にアドリブを利かせられるのは、完璧にできるからなわけであって。葉月を見ていて、なるほどな、と思いましたね。ここ最近のライブでは、他のメンバーもレコーディングでは弾いていなかったアドリブをちょいちょい挟んでくるようになって(笑)。それは余裕のある人間だからできるわけですよ。

──自分のアドリブに他のメンバーも切り込んできてくれるだろう、という信頼感もそこにはあるはずですよね。

玲央:そうです。『REBORN』を作って、1ツアー経て、次に“無印ツアー”と呼んでいる冠のないライブハウスツアー<TOUR'23 THE CRAVING BELIEVERS>もやって。それがいまにつながっているんです。

──身になることの多いこの数年間だったわけですね。lynch.は作品を作るとき、コンセプトや方向性をカッチリと決め込むタイプだと思っているんですよ。『REBORN』に続く作品『FIERCE-EP』の制作にあたって、そういった話し合いも?

葉月:コンパクトで、激しいもの。そういうシンプルなテーマでしたね。わりと早い段階で話にあがってました。ミニアルバムのサイズで、激しい方向に片寄っているもの。敢えて作品全体のバランスを取らず。そういうものにしたいねって話していました。

▲玲央(G)
──今回の『FIERCE-EP』は、葉月さんが作詞と作曲をメインで手がけていて、『REBORN』以前の体制に戻ったとも言えますが。

葉月:自分が完全に作ったのは「UN DEUX TROIS」と「EXCENTRIC」の2曲ですけど。「REMAINS」は作曲が悠介。「斑」は原曲が明徳、「A FIERCE BLAZE」は原曲が玲央さん。『REBORN』がオムニバスアルバムっぽく聴こえたとおっしゃったじゃないですか? 「斑」と「A FIERCE BLAZE」に関しても、「lynch.としてやるなら、もうちょっとこうしたほうがいいよねってことを、僕がやっていいですか?」という話をしたんですよ。lynch.として出すなら、こういうほうが多分いいと思うんですよねってアレンジを。

──長年培ってきた核の部分ですね。

葉月:そう。他のアレンジャーに投げるよりも、僕がやるほうがlynch.らしくできるという自負もあるんで。やっぱり“lynch.らしさ”ってものをファンのみんなも望んでいるのかなと思っていたし、バンドとしてもそういうものを大切にして発信すべきという気がしていたので。そういう体制にしてもいいか、という話を去年のファンクラブ旅行中にみんなでして。

玲央:企画段階のときから、2013年にリリースした『EXODUS-EP』のような感じでした。あの『EXODUS-EP』は、葉月が監修で、他のメンバーも楽曲を持ってきてくださいねって話から始まったんですよ。そのときとミーティング内容もけっこう近いものがあったので、リンクするように、「タイトルは“なんとかEP”ってどうですか?」って僕が提案したぐらいだったんで(笑)。今回の『FIERCE-EP』は、以前までの良さと、『REBORN』のときにやった実験的な部分を、ハイブリッドな形でまとめられたと考えてます。

◼︎これを当たり前と思っているこの感覚が、lynch.の良さ

──『REBORN』後のツアーを廻ってファンが求めているものがリアルに分かったから、今回のコンパクトで激しいものというテーマが浮上したんですか?

葉月:とくに無印ツアーでは昔の曲だけをやったんですよ。そのときに“lynch.のいいところってこういうとこだよな”ってことがたくさん見えたんで。そういうものをもう1回しっかり提示して、「ほら、lynch.でしょ。どうだ!」ぐらいの作品を出したいよねって意識でした。とはいえ僕が監修するとはいってもみんなが原曲を持ってきてくれるから、当然僕からは出てこない斬新な部分があって、すごくいい状態だなと思いますよ。

──葉月さんからそういった提案があったうえで作曲に向かったとき、『REBORN』の時期とは違った作曲感覚も働いていました?

明徳:作曲するにあたっては、ライブのことをすごい想定しましたね。lynch.の曲を俯瞰して、曲の構成をパターン化させてみたり。こうなってるからライブのとき盛り上がれるんだろうな、とか。猛省を活かして、個人的にはそういう分析や研究もしたんですよ。葉月さんが監修するって話になったときに、「僕が触ると葉月節っぽくなっちゃいますけどね」という説明をしていて。それを聴いて、僕は“そこを気にしていたのか”って思ったんですよ。葉月節になるのがlynch.らしさだと思うから。『REBORN』のときはそこを気にするあまり、葉月さんはこっち側が作った曲のアレンジを一切触らなかったんです。他のメンバーの作った曲に、自分の色や葉月節を極力付け加えないようにしていたんです。

葉月:ところが今回は「触ってもいいですか?」ってみんなに言って……。

明徳:それで「触って、触って」という(笑)。

──あら、いやらしい……(笑)。

明徳:という話ではない(笑)。でも今回は変な気の使い合いが取り払われて、いい体制になったと思う。

──そうなると曲も作りやすくなるんじゃないですか? 遊び心を好きなように入れても、最終的に葉月さんがlynch.の色で染め上げてくれるだろうから。

明徳:それはありますね。作った側として、「よし!」って手ごたえを感じられますしね。……最終的には修正されないのが一番なんですけど(笑)。でも、まずはlynch.の曲として良くなるやり方がバンド内でしっかりできた──いい状態だと思います。

玲央:今回、「A FIERCE BLAZE」では葉月から「アレンジしたい」という要望が出てきて。サビをここに入れたいとか、間奏は先頭に持っていくとか。それを聴かせてもらったとき、確かにそのほうがいいって思ったんです。データ上ですけど、ジャムセッションに近い感じで練り上げていけたんです。僕はDTMがなかった時代から音楽を始めたんで、ジャムがスタジオ内で行なわれるのは当たり前という時期を長く経験していたし、keinを再びやってジャムの良さを思い出したところもあって。解散前のkeinは1998〜2000年に活動したバンドだったんですけど、当時、曲を作らなきゃねってスタジオに入って、なにかバーッと弾くと、勝手にみんながギターに合わせてくる。勝手に仮歌もその場で入れてくる。

──昭和・平成初期は、どんなバンドもそうでした。バンドマンは誰もパソコン持ってなかったし。

玲央:そう。それでジャムをラジカセに録って、家に持ち帰って、それぞれ考えて、またジャムをしながら曲という形になっていく。そんなやり方をしていたんです。ただ、今の時代に合わせたスピード感で進めていかないとなってところもあるんで、パソコンでDTMしますけどね。でも今回の「A FIERCE BLAZE」は、ジャムに近い感覚あるなと。原曲に葉月の歌が乗りました、悠介のギターが乗りました。悠介のフレーズがいいな、それを活かすために僕の4コード目と8コード目をちょっと変えますって。それによってベースの音がぶつかっているので、明徳さん、弾き直してもらっていいですか……って感じ。データのやり取りではあるけど、バンドでのジャムができているんで、手法としても昔の良さと今の良さが融合している。そういう面でもハイブリッドなんです。

──ジャムならではの化学変化が生まれているということですよね。悠介さんの作曲した「REMAINS」はどんな手法ですか?

悠介:『REBORN』の曲出しのときに作ったのが「REMAINS」なんですよ。あのとき僕は4曲出したんです。最終的に一人2曲だったんで、そのときに選ばなかった曲のひとつが「REMAINS」。今回のツアー<TOUR'24 THE FIERCE BLAZE>の日程を組むにあたって、ホール会場が入れ込まれていたので、それも踏まえてライブの演出とか、照明さんがやりやすいだろうなとかも考えて。

──イマジネーションが広がる曲調のほうが、ホールの空間を活かしたライティングができるからと?

悠介:そうです、スケール感ある曲を入れようと。今回出すにあたって細かい部分をちょこちょこ変えているんですけど、基本的な部分は『REBORN』の曲出しで作ったときから変えていないです。

──収録された5曲以外にも候補曲はあったんですか?

葉月:確か、一人2曲ずつぐらい出してきてもらって、晁直は4曲ぐらい出してきたような気がする。そこから今回のコンセプトに見合う曲をチョイスして、「斑」と「A FIERCE BLAZE」はアレンジさせてもらった感じですね。

晁直:僕が作った原曲は、まだまだ振り切ってなかった感じですね。なにかを狙って曲を作るということが、まだできないんですよ。

──『FIERCE-EP』はlynch.らしさ全開ですけど、新しさも散りばめられてますよ。ボーカルのアレンジとアプローチは当然、バンドのアンサンブルも各メンバーの色合いがハッキリ出てきている。ユニゾンで攻めて作る強さとは違って、カラフルなアレンジが作る分厚さや強さという印象を持ちました。すごい挑戦していると感じました。

玲央:そこは挑戦なのか、僕らにとっての自然なのか。これを当たり前と思っているこの感覚が、lynch.の良さだろうなとも思いますし。

明徳:そう、だから無意識的な感じ。挑戦という感じではないですね。曲に対して、今できることを突き詰めてやったというだけで。目新しいことをやってやろうって狙いもなかったんですよ。

──タイプの違う2本のギターのアレンジが随所に活きているんですよ。自分のプレイが必要であるべき箇所を、すごく分かったうえで効果的なフレーズを入れる悠介さんの存在感。

悠介:そうですか、あまり自分では意識してなかったですけど(笑)。でも聴いたら、「これは悠介だね」っていうようなものは、昔から目指している部分でもあるんで。そう言ってもらえたら嬉しいですよ。

玲央:狙ってできたものというよりは、自然発生的にできたバランス。その感覚が、何度も言うんですけど、僕らなんだろうなって改めて思いますね。それをlynch.の良さだと思ってくれたらいいなという。こうなるのは、僕らが名古屋人だからですかね〜(笑)。

──その意表を突くセリフの真意は(笑)?

玲央:いや、名古屋人って変わり者って言われますから、あちこちで(笑)。しかも愛知県民じゃなくて、“名古屋人”と言われます。「あの人たちは味覚も含めて、なにもかもおかしい」とよく言われますから、名古屋人は(笑)。

──おかしいのを当人たちは普通のことだと思っているという。名古屋人=変わり者=lynch.っていう構図。葉月さんのボーカルアプローチは今回、めちゃくちゃ挑戦的だと感じました。シャウトの質感や声色、メロディックな歌い上げや艶など、自分の全ての引き出しを見せてやろうぐらいの勢いでした。

葉月:そうですね。昔は自分の歌唱に関して全く興味なかったんですよ。練習とかも全然したことなかったし。だけどあるときから、もっとちゃんとうまく歌いたいという欲が出て。それはシャウトも、メロディックな歌もそうなんです。そして、やっとちょうど成果が出だしたんですよ、この『FIERCE-EP』のレコーディング中ぐらいから。シャウトは今までに聴いたことのない音やトーンが出ているんで、これから聴く方は楽しみにしていてほしいです。

──lynch.は紆余曲折もあったけど、結果、良かったですよね。これを作るためにいろんな出来事が起こったという考え方もできるかもしれない。

玲央:そうですね。というか、「良くなかったですね」と言われたら「もう帰っていいですか」って言っちゃいますよ(笑)。常々思うんですけど、平坦な道ってないと思うんですよ。紆余曲折、そのドラマを自分たちがいかに楽しめるか。それが長続きするか、しないかの境目だと思うんで。そういった意味だと、僕は今、すごく楽しくやらせてもらっているので。この先も、みなさんには期待していただけると。

──今年は、今後のスケジュールもいっぱいで、ライブ会場で直接会える時間も多いですからね。激しく獰猛にやり合おうぜっていう。

葉月:そうですよ。ライブもとてもいいものになると思うので、是非、遊びに来てください。

取材・文◎長谷川幸信
写真◎野村雄治

『FIERCE-EP』

2024年6月26日(水)Release
購入:https://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=41281

『FIERCE-EP』Linkfire▼
https://king-records.lnk.to/53K7C6Y4

「EXCENTRIC」MV▼
https://youtu.be/16pQyiEOuTA

【初回限定盤CD+Blu-ray】

KICS-94159/価格:¥6,300(税抜価格¥5,727)
収録内容
[CD]
1.UN DEUX TROIS(作詞:葉月/作曲:葉月)
2.EXCENTRIC(作詞:葉月/作曲:葉月)
3.斑(作詞:葉月、悠介/作曲:明徳、葉月)
4.A FIERCE BLAZE(作詞:葉月/作曲:玲央、葉月)
5.REMAINS(作詞:葉月/作曲:悠介)

[Blu-ray]
・「EXCENTRIC」MV
・「EXCENTRIC」MVメイキング映像

【通常盤】CD only

KICS-4159/定価:¥2,750(税抜価格¥2,500)
収録内容
初回限定盤CDと同内容

・『FIERCE-EP』初回限定盤購入特典
応援店:ミニブロマイド風カード(89㎜×63㎜)
※対象店舗はこちら https://www.kingrecords.co.jp/cs/t/t15120/
タワーレコード:ジャケ写絵柄ステッカー(120㎜×120㎜)
HMV全店(オンライン含む/一部店舗除く):B5クリアファイル

・リリースイベント(ジャケットサイン会)開催日程・場所
6月29日(土)13:00~ タワーレコード名古屋パルコ店
9月1日(日)13:00~ タワーレコード梅田NU茶屋町店
9月5日(木)17:30~ タワーレコード新宿店
詳細URL: https://www.kingrecords.co.jp/cs/t/t15119/

<TOUR'24 THE FIERCE BLAZE>

7月07日(日) 仙台Rensa 開場16:45開演17:30
7月11日(木) 新宿BLAZE 開場18:15開演19:00
7月13日(土) 横浜Bay Hall 開場16:45開演17:30
7月20日(土) 福岡DRUM LOGOS 開場16:45開演17:30
7月21日(日) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM 開場16:45開演17:30
7月23日(火) KYOTO MUSE 開場18:30開演19:00
7月27日(土) 岐阜club-G 開場17:00開演17:30
7月28日(日) Live House 浜松窓枠 開場17:00開演17:30
8月03日(土) 旭川CASINO DRIVE 開場17:00開演17:30
8月04日(日) 札幌PENNY LANE 24 開場17:00開演17:30
8月17日(土) 金沢EIGHT HALL 開場17:00開演17:30
8月18日(日) 長野CLUB JUNK BOX 開場17:00開演17:30
オールスタンディング ¥7,000(税込/D別)

8月24日(土) Niterra日本特殊陶業市民会館ビレッジホール 開場16:45開演17:30
8月31日(土) 大阪国際交流センター 大ホール 開場16:45開演17:30
9月04日(水) TOKYO DOME CITY HALL 開場17:30開演18:30
全席指定 ¥8,000(税込) ※9/4東京公演のみD別

・全公演共通
※未就学児入場不可
※チケット忘れ・紛失の場合、いかなる理由であってもご入場をお断りします(再発行不可)

・オフィシャル先行(抽選)
受付期間:5月23日(木)15:00~5月30日(木)23:59
受付URL:後日案内
制限枚数:各公演お1人様1申込4枚

・一般発売(先着)
6月15日(土)10:00

問い合わせ
【仙台】キョードー東北 022-217-7788
【新宿・横浜・TDC】ディスクガレージ https://info.diskgarage.com/
【福岡】BEA 092-712-4221
【岡山】YUMEBANCHI (岡山) 086-231-3531
【京都・大阪】YUMEBANCHI (大阪) 06-6341-3525
【岐阜・浜松・名古屋】キョードー東海052-972-7466
【旭川・札幌】WESS info@wess.co.jp
【金沢・長野】キョードー北陸025-245-5100
【総合info】サイレンエンタープライズ03-3447-8822

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