鹿児島市の一大イベント・おはら祭に「参加条件」新設 振興会が「ふさわしくない」団体断る根拠を明示 前年、旧統一教会の踊り連参加めぐり抗議30件超

約1万4000人が参加した昨年のおはら祭=2023年11月3日、鹿児島市金生町

 鹿児島市の天文館一帯で毎年11月に開催される南九州最大の祭り「おはら祭」の踊り連に、参加条件が設けられることが27日分かった。昨年、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が参加し、おはら祭振興会(会長・下鶴隆央鹿児島市長)事務局の市に多数の抗議が寄せられたため、振興会が「一定のルールが必要」と今回初めて参加を制限できる規約を作った。28日の総会で報告する。

 市観光振興課によると、今回作成した「総踊り等参加の手引き」に参加条件を記載した。祭り開催に支障をきたすなど振興会が参加がふさわしくないと判断した場合のほか、暴力団や反社会的団体、単に広告や企業・団体PRが目的の踊り連の参加を断るなどと明記している。規約は3月、振興会の承認を得たという。

 今年の参加申し込みは、7月1日から8月末まで受け付ける。参加の可否について、市は「申し込みがあった団体は、規約に基づいて振興会で判断する。全ての団体を審査するわけではない」とする。昨年は、総踊りに178連約1万4000人が参加。旧統一教会の踊り連は、教団のロゴが入ったそろいの法被を着用して踊った。市によると、2019年に続いて2回目だった。

 教団について、政府は「社会的に問題がある」と認め、文部科学省は昨年10月、解散命令請求を東京地裁に申し立てていた。11月の祭り参加を巡り、市には「なぜ参加を認めたのか」などの問い合わせや抗議が30件以上あった。市は「特定団体の参加を禁止する規約がなく、他の宗教団体も参加している。解散請求の司法判断もまだ出ておらず、断る理由がなかった」と説明していた。

昨年のおはら祭でそろいの法被を着て踊る「世界平和統一家庭連合」の踊り連=鹿児島市

© 株式会社南日本新聞社