“戦うママ”横峯さくら 「耐えて耐えてという感じだったんですけど」69で8位好発進 夫の助言で戦いに集中

 18番のティーショット前にキャディーを務める夫の森川陽太郎氏(左)と話し合う横峯さくら(撮影・伊藤笙子)

 「女子ゴルフ・資生堂レディース・第1日」(27日、戸塚CC西C=パー72)

 ツアー通算23勝の横峯さくら(38)=エプソン=が3バーディー、ボギーなしの69で回り、3アンダーの8位と上々の滑り出しを見せた。2021年2月に愛息・桃琉(とうり)くんを出産後、ツアー復帰から4年目。夫からのゲキを受けた元賞金女王は、ゴルフ場では表情を母から戦う顔に変えて好調を維持している。65で回った桑木志帆が単独首位、堀琴音、仁井優花が2打差の2位に続く。2週連続優勝を狙う小祝さくらは8位。

 さくらはさくらでも、今週はベテラン横峯も好スタートを切った。「後半はグリーンに乗らなくて、耐えて耐えてという感じだったんですけど」と振り返りながらも、小技を駆使した粘りのゴルフでボギーなしの69。昨年9月のゴルフ5レディース以来、19戦ぶりの1桁順位発進を決めた。

 今季は3月のアクサ・レディースから10戦連続予選落ちも喫したが、戦友の名前が冠名である宮里藍サントリー・レディースからは3戦連続で予選を通過。2週前にはリランキングで順位を上げ、中盤戦以降の出場権が増える見込みに。ただ、試合に出ることだけが目的ではない。「もっともっと上を目指してやっていきたい。シードを取りたい」と元賞金女王として、志を高く持つ。

 好調の要因はゴルファーと母の顔を使い分けることができているから。予選落ちが続いた時期は宿舎からゴルフ場に向かう直前まで、3歳の長男・桃琉くんの世話をすると、プレー中も頭に息子の心配ごとが浮かんでいた。夫でキャディーも務める森川陽太郎氏に「戦えてないよ」と指摘を受け、横峯も「シビアな世界で、それってやっちゃいけないこと」と戦いに集中するようになった。

 最近は息子との言葉のやりとりも増え、成長を感じられることもプレーへの集中に好影響を与える。今週は会場の託児所を利用するなど、ツアーの子育て環境が改善してきたのも安心材料だ。「明日もアンダーパーで回れるように」と、今は目の前の18ホールへフォーカスしている。

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