【大阪・寝屋川】寝屋川市立望が丘小学校・中学校(小中一貫)に行ってきました

2024年4月開校 寝屋川市初の施設一体型の小中一貫校「寝屋川市立望が丘小学校・中学校」1年から9年までの教育方針を小・中学校の両校長先生に聞きました

2024年4月に開校した、寝屋川市立望が丘小学校・中学校(寝屋川市打上高塚町4-1)。

寝屋川市初の施設一体型小中一貫校です。

5月末、元・校長先生の教育ウオッチでおなじみの兵庫將夫先生(写真中央)と学校見学へ。

小学校校長の松島弘さん(写真右)、中学校校長の山本佳史さん(写真左)にお話を聞き、木のぬくもりあふれる新校舎を見学させてもらいました。

同校は、隈研吾氏が設計監修というなんともうらやましい建物も魅力。こちらは図書スペース。部屋として区切られておらず、オープンな空間です

出典:リビング大阪Web

兵庫 施設一体型ということで、職員室も共通なんでしょうか。

松島(小学校校長・以下小) そうです。もちろん小学校の先生方、中学校の先生方と大きくは分かれていますが、同じスペースに両先生方がいます。

兵庫 では、日常的に小・中学校の先生同士が話がしやすい環境で、児童・生徒の成長を実感を持って見守れる体制がとられていると。

松島(小) そうですね、さらに距離感が近くなったので、さまざまな部会も開きやすくなりましたし、管理職同士もスピード感を持って話ができるのは本当にいいことだと思います。

兵庫 小中一貫教育の9年間を、どのように区切っておられるんでしょうか。

松島(小) 基本的には6・3制なのですが、段差を取り除いていくために、段階的に3年から専科の授業を増やし、教科担任制も学年の状況を踏まえて入れていきながら、中学生に移行することを意識して指導しています。

山本(中学校校長・以下中) どういった児童らがどういった学びを経て中学生になるかが実感的にわかりますので、中学校としても指導上のメリットが大きいです。また、免許の問題はありますが(小学校・中学校の教員免許)、小学生はより専門的な学習ができる、これもメリットだと思います。

出典:リビング大阪Web

地域の人のあたたかな見守りにの中で育む新しい学校

兵庫 4月からの児童生徒の交流はいかがでしょうか。

松島(小) 混雑緩和のために小・中学校で登校時間をややずらしているのですが、遅れ気味の小学生を中学生が送ってきてくれたり、声がけをしてくれたり、なんてこともあります。とても微笑ましいです。

兵庫 地域のみなさんはいかがですか?

松島(小) ありがたいことに、地域の方々は登校時の見守りボランティアや青パト(青色防犯パトロール)などにも非常に協力的に力を貸してくれています。

山本(中) 開校準備の段階で地域も一緒になって意見を交わし、学校づくりを担っていただきました。

兵庫 地域の方々からは、学校運営に関してどんな意見がありましたか?

山本(中) 今までであれば、小学校、中学校ごとに評議員の方々がいて、それぞれの学校ごとに意見をいただいていましたが、小学生と中学生を緩やかなシフトの中でとらえて、意見をいただいたりしています。そこは変わってきましたね。

出典:リビング大阪Web
出典:リビング大阪Web

「聞く力」と「意見を持ち」「話し合う力」をつける

兵庫 学習の方針として聞く力、話す力を育むことを大切にされていると聞いています。

松本(小) 小学1年生では「聞く」姿勢の定着を大切にして基礎的な生活習慣を学び、学年が進むとともに「自分で考え、意見を持ち、話し合う」ことの大切さを学んでいくように、指導していきます。

山本(中) 市内小中学校で行っているディベートの授業で、身近なテーマについて考えたり、話し合ったりしながら多様な考え方があることを理解していくことが大切なんだと。そのうえで自分の考えを深めていく、ディベートの授業を通して、生きる力の基礎となる“考える力”を培っていきます。

兵庫 ディベートというと、対立した考え方を思い浮かべたり、論破するといったところを想像してしまいますが、他者理解の姿勢を持ったうえでコミュニケーションのベースになるところを学習の中に取り入れているんですね。

山本(中) そうです。ですので、何のためにディベートをするのかということも子どもたちに伝えています。ディベートをしたあとに、相手の意見を聞くことで自分の考えがどう変わったのかを考えるというところがとても大事なんです。

兵庫 他者理解が適切な形で進んでいくことはとても好ましいことです。そのような授業を作り上げていかれるのは力がいることでしょうが、そういった環境の中で育つ生徒のこれからが楽しみですね。本日はありがとうございました。

★元・校長先生の教育ウオッチでも寝屋川市立望が丘小学校・中学校について紹介しています(6月27日公開)

https://mrs.living.jp/osaka/a_education/article/5736449

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