富山県滑川市、全小中に災害対応自販機 教職員使い方学ぶ、非常時に無償取り出し可能

災害対応自販機の開け方などを確認する教員(左)

 大規模な災害に備え、富山県滑川市は有事に商品を無償で取り出せる自動販売機を、市内全ての小中学校に1台ずつ設置した。設置業者によると、災害対応自販機が小中学校全てに置かれるのは北陸3県の自治体で初めてという。27日は、同市西部小学校の教職員約20人が非常時の使い方を学んだ。

 自販機は大塚製薬(東京)と、グループ会社の大塚ウエルネスベンディングが設置した。災害に備えて大塚製薬が昨年、県を通じて各市町村の小中学校への設置を提案。能登半島地震の発生を受け、滑川市は9校全てに置くことを決めた。

 自販機には飲料が最大約300本、栄養補助食品が77本程度入り、商品は普段、有料で購入できる。一方、震度5強以上の地震や豪雪などで、学校を避難所として開放し避難者がいた場合、商品を無償で取り出して配ることができる。停電時も取り出せ、商品の代金などは大塚製薬側が負担する。

 27日は同社スタッフに教わりながら、教員が自販機の鍵の開け方やスピーディーに商品を取り出す方法を確認した。地曳健佑さんは「災害時の必要性が高く、飲み物などを早く配れるのは効率的だと感じた」、大塚製薬富山出張所の岸洋一郎所長は「災害に対応した自販機があるということをぜひ認知してもらいたい」とそれぞれ話した。

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