EU首脳、欧州委員長にフォンデアライエン氏指名 2期目続投

[ブリュッセル 27日 ロイター] - 欧州連合(EU)は27日の首脳会議で、ドイツの中道右派フォンデアライエン氏を2期目となる欧州委員長に指名した。任期は5年。EU首脳会議の次期議長(EU大統領)にはポルトガルのコスタ元首相を選んだ。

ボレル外交安全保障上級代表の後任にはエストニアのカラス首相を指名した。

EU外交筋によると、ハンガリーのオルバン首相はフォンデアライエン、カラス両氏の指名に反対票を投じた。イタリアのメローニ首相はフォンデアライエン氏に関する投票を棄権し、コスタ、カラス両氏の指名には反対したという。

今月初めの欧州議会選では極右勢力が躍進したが、指導部の主要ポストは中道親EU派が維持した。新委員長は欧州議会の承認を経て正式決定する。

カラス氏は「地政学的緊張が高まっている中、極めて重大な責務だ。欧州では戦争が起きているが、世界的にも情勢は一段と不安定になっている」と語った。コスタ氏は新たな役割で「27加盟国間の団結を後押しすることに全力を尽くす」と述べた。

首脳会議ではウクライナとの安全保障協定でも合意に達した。ロシアに対するEUの防衛力強化についても議論し、今後5年間のEUの戦略的優先事項で合意した。

安全保障協定は、武器の供給や軍事訓練、防衛産業における協力、地雷除去など9分野でウクライナを支援するという内容。ミシェル大統領は「ウクライナを支援するというEUの揺るぎない決意の証拠だ」と強調した。

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