「ミライの木」で意思を形に 環境への意識向上目指す 藤沢市

ミライの木にコインを預ける大島支配人

6月の環境月間に合わせて「ふじさわSDGs共創パートナー」から環境問題に関する取り組みを行っている企業を紹介する連載。最終回は、独自のアメニティー提供方法などを通じて環境保全への貢献を目指す「ホテルウィングインターナショナル湘南藤沢」(藤沢)に、取り組みについて話を聞いた。

運営会社ミナシアの社名の由来は「みんなが幸せに」という思いから。「社名のように宿泊客にいい滞在時間を提供すること以外にも社会に貢献できることはないかと考え、環境保全への貢献に力を入れている」と同ホテルの大島正嗣支配人。

通常、ホテルで使われるカミソリや歯ブラシなどは一度客室に設置すると、清掃時に処分しなければならない。同ホテルでは、この無駄を削減するため、アメニティーを客室ではなくフロントロビーに備え付け、各自が必要分のみ持ち出す「バイキング方式」を採用。湘南藤沢店独自の試みとして、同じようにナイトウェアをバイキング方式で、また食品ロスを防ぐために朝食のパンを個包装で提供している。

2023年から全社で始めた「ミライの木」プロジェクトは、環境に配慮する客の意思を、環境保全に役立てる取り組み。アメニティーの必要分のみの使用や私物の持参などに協力した客に、間伐木材でできた「木のコイン」をフロントそばの「ミライの木」へ投函してもらう。集まったコインは1枚10円で現金換算され、植樹のための費用に役立てる。

昨年全社で集まった9500枚のコインを換算した資金をもとに、新入社員らが山梨県でブナなどの苗を200本植えた。実際に植樹を行うことで、社員の環境への意識を高める狙いがある。

コインを通じて取り組みに共鳴した客の数が目に見えるため、社員たちはやりがいを感じることができているという。「社員もお客様も環境のことを考えるきっかけになれば」

【4】ホテルウィングインターナショナル 湘南藤沢(藤沢)

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